FIA(F1統括団体である国際自動車連盟)のF1競技委員長であるチャーリー・ホワイティングが、現在のF1における最大の問題は3強チームとそれ以外のチームの力量差が大きすぎることだとの見解を示した。
■追い抜きが困難になった2017年のF1マシン
2017年にはそれまでの技術レギュレーションが変更され、よりワイドなタイヤが装着されるとともに、車幅が拡大され、ダウンフォースが強化されたシャシーが導入された。
これにより、F1カーがたたきだすラップタイムは大きく短縮されたものの、その一方でコース上での追い抜きは以前にも増して難しくなったとの批判的意見もある。
例えば、レッドブルのダニエル・リカルドはこの問題について次のように語っている。
「幅が広くなったクルマはかっこいいし、グリップも大きくなった。だけど、コース上で占めるスペースが増えた分、空気の流れが悪くなってしまい、追いかけていくのが難しくなっているんだ」
■問題はレギュレーションよりもチーム間の力量差
だが、ホワイティングはこうした意見に対して違う意見を持っているようだ。
「私は接近戦が問題だとは思っていないし、クルマに問題があるとも思っていないよ」
「今年(2017年)一番大きな問題だったのは、いわゆる3強チーム、つまりメルセデスAMG、フェラーリ、そしてレッドブルが明らかにそのほかのチームよりも速かったことだ」
『New York Times(ニューヨーク・タイムズ)』にそう語ったホワイティングは、次のように付け加えた。
「私はレースそのものが悪かったとは思っていない。ただ、いくつかのチームがほかよりも明らかにいい仕事をしただけのことなんだ。そしてそれはF1ではめずらしいことではないよ」