元F1ドライバーたちが、ウィリアムズのドライバー決定方針に対して批判的なコメントを行っている。
ウィリアムズでは昨年F1デビューを飾った19歳のランス・ストロールの残留は確定しているものの、2017年限りで引退したフェリペ・マッサの後任ドライバーはまだ確定していない状態だ。
■シロトキンが2年契約締結との報道も
そのシートをめぐっては、2011年に負った大けがを克服して8年ぶりにF1復帰を目指しているロバート・クビサを始め、ポール・ディ・レスタ、パスカル・ウェーレイン、ダニール・クビアトらが獲得合戦を繰り広げていたものの、一時はクビサのシート獲得が決定的となったと報じられていた。
だが、最近の情報では潤沢なスポンサーマネーを持つロシア人ドライバーのセルゲイ・シロトキンが形勢を逆転したようだと言われており、ドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』はシロトキンがウィリアムズとの間に2年契約を結んだようだとも報じている。
■クビサもシロトキンも実力的には疑問符
だが、スイス出身の元F1ドライバーであるマルク・スレールは、クビサとシロトキンのどちらも、本当はF1にふさわしいドライバーではないと考えているようだ。
「実際のところ、コインを投げて決めてもいいくらいだ」
『Bild am Sonntag(ビルト・アム・ゾンターク)』にそう語ったスレールは、次のように付け加えた。
「ひとりは素晴らしい物語があるし、もうひとりには大金がある。だがどちらも、必ず選ばなくてはならないカテゴリーにあるというわけではないよ」
■物を言うのは“お金”だとマッサ
引退を決めたマッサも、本音の部分では現役を続行したいと考えていたようだ。だが、2017年には予選で自分に2回しか勝っていないストロールが残留できたのは、トミーヒルフィガーなどの有名ブランドを展開するカナダの大富豪ローレンス・ストロールによるスポンサーマネーのおかげだと示唆し、「すべては金次第だよ」と語っている。
■ウィリアムズは魂を売り渡したとビルヌーブ
さらに、1997年にウィリアムズに最後のF1ドライバーズタイトルをもたらした元F1ドライバーのジャック・ビルヌーブも、現在のウィリアムズに対して次のような批判的コメントを行っている。
「彼らはすでに自分の息子のことしか考えない大富豪のローレンス・ストロールに魂を売り渡してしまっている」
「マッサでさえランスよりも速かったんだ」
そう語ったビルヌーブは、バクーで行われた2017年F1第8戦アゼルバイジャンGPでストロールが3位となったのも決して実力ではなかったと次のように付け加えた。
「彼がバクーで表彰台に上ったからと言ってそれで納得などできないよ。あれは単に運がよかっただけさ」