メルセデスのモータースポーツ責任者であるトト・ヴォルフが、本当であればマクラーレンへPU(パワーユニット)と呼ばれるF1エンジンを供給したかったと語った。
■マクラーレンへの供給には時間切れだった
2015年にスタートしたマクラーレンとホンダのプロジェクトだったが、ついに結果を残すことなく2017年限りでその関係に終止符が打たれてしまった。
実際のところ、2017年のF1シーズン前テストにおいてすでにホンダPUの信頼性とパフォーマンスがライバルメーカーのものと比べて非常に低いことが明らかとなっていた。そしてマクラーレンではそのころから既存エンジンメーカーであるメルセデス、フェラーリ、そしてルノーとの交渉を開始していた。
だが、これまでに伝えられていた情報によれば、メルセデスとフェラーリはマクラーレンへのPU供給には前向きではなく、結果としてマクラーレンとしては最終的にルノーと契約するしかなかったのだと考えられていた。
しかし、ヴォルフは『ESPN』に次のように語った。
「我々はマクラーレンにエンジンを供給したかったんだ。問題はあまりにも時間がかかり過ぎたことで、2018年に彼らにエンジンを供給できるだけの体制を整えることができなかったんだ。単に、遅過ぎたんだよ」
■将来またマクラーレンと組む可能性も
ヴォルフは、しかし、将来的には再びメルセデスがマクラーレンへPU供給を行う可能性もあると次のように示唆した。
「将来の供給先に関しては決してどのチームも除外してはならない。だからマクラーレンであれほかの誰であれ、今後我々のパートナーとなる可能性はある」
ちなみに、マクラーレンとルノーは現在のF1エンジンルールが維持継続される2020年までの契約を結んだことが明らかとなっている。
現在、2021年以降のF1エンジンルールに関してF1オーナーのリバティ・メディアとF1エンジンメーカー、F1チームらが話し合いを行っているところだ。そして、2021年以降のエンジンルールがどう決着するかによっては、新たなF1エンジンサプライヤーが参入してくる可能性もあると考えられている。