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リバティ・メディアはフェラーリを怒らせるなとメルセデスのボス

2017年12月20日(水)18:01 pm

メルセデスAMGを率いるトト・ヴォルフ(エグゼクティブディレクター)が、F1オーナーのリバティ・メディアに対してフェラーリ会長のセルジオ・マルキオンネを怒らせるなとくぎを刺した。

■F1撤退をたびたび示唆するフェラーリ

最近、マルキオンネはたびたびフェラーリのF1撤退を示唆するコメントを連発している。

その発端は、リバティ・メディアが主導してまとめた2021年以降のF1エンジンルール案が発表されたことだ。

PU(パワーユニット)と呼ばれる現行のF1エンジンから複雑なシステムと認識されているMGU-H(熱エネルギー回生装置)を撤廃するとともに、多くのパーツを標準化するという案に対し、フェラーリ、メルセデス、ルノーといった既存のF1エンジンサプライヤーはこぞって反対の意思表示を行っている。

中でもフェラーリは強硬な姿勢を見せ、その案が修正されなければ現行PUの契約が終了する2020年をもってF1を撤退すると警鐘を鳴らしている。

■新エンジン案は望ましいものではないとヴォルフ

同じく、そのリバティ・メディア案に異論をとなえるメルセデスのヴォルフはドイツの『Welt am Sonntag(ヴェルト・アム・ゾンターク)』に次のように語った。

「現在、我々はかつてなかった最高に強力で効率的なパワートレインを手にしている」

「新たなエンジンルールにより、これを最適化できる可能性もある。だが、電化や効率化、そしてパワーに関してそれほどハイテクが必要ではない新しいエンジン、つまり少し古めかしいエンジンを開発することは、我々が望んでいるものではない」

■フェラーリ会長を怒らせるのは間違い

さらに、フェラーリ会長がF1からの撤退を示唆していることに“恐れ”を感じているかと質問されたヴォルフは次のように答えた。

「私は恐れてはいないよ。だが、マルキオンネのことは真剣に受け止めるべきだ」

「私は心配はしていないよ。フェラーリはF1あってのものであり、F1もフェラーリあってのものだからね」

「だが、もし私がリバティ・メディアで新たなF1をプロモートする立場であれば、私は受け入れがたい提案や要求、あるいは意味のない変化などによってマルキオンネを刺激し続けるようなまねはしないだろうね」

■F1に必要なのは革命ではなく進化

それは具体的にどういう意味かと尋ねられたヴォルフは次のような説明を行っている。

「ゲームにルールやショー的要素を持ち込むことでF1を安っぽいショッピングチャンネルに変えてしまうことさ」

「F1は昔から今に至るまで有してきた基本的構造を保つべきなんだ。我々はそれを改善し、新たなメディア環境に対応していかなくてはならない。だが、我々が必要としているのは単純な革命ではなく、進化だよ」

■エクレストンがいれば・・・

ヴォルフは、長年F1最高責任者を務めてきたバーニー・エクレストンの不在が問題を大きくしているのかもしれないと考えている。

「私は3年か4年前に望んでいたんだ。彼(エクレストン)が分別を持って、すべてを失うのではなく別の役割を担うようにして欲しいとね」

そう述べたヴォルフは、次のように付け加えた。

「それは新しい時代のF1を築き上げていくことを助ける役割だ。だが、経験と情熱を持つレーサーでありビジネスマンであるにもかかわらず、彼はそうしなかった。私が彼に対して持つ唯一文句を言いたいのはこのことだ」

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