カナダのモントリオールが、フォーミュラEのレースを開催することは「経済的大損害」だと主張している。
■モントリオールがフォーミュラE開催契約を破棄
フォーミュラE の2016-2017年シーズンで7月に最終戦を開催したモントリオールだが、どうやらフォーミュラE開催はこれが最初で最後となってしまいそうだ。
本来は2017-2018年シーズンも最終戦を開催する予定だったものの、すでにフォーミュラEの公式ウェブサイトからもモントリオールの名前が消されてしまっている。
これは、今年の11月の市長選挙に勝利し、モントリオール初の女性市長に就任したバレリー・プラントが開催契約をキャンセルしたためだ。
■フォーミュラEにつぎ込む金はないと新市長
2017年にモントリオール市街地でフォーミュラEを開催するにあたっては、前市長のデニス・コデール体制のもとで市が2400万ドル(約27億円)を負担しており、これが大きな批判を呼ぶこととなっていた。
『SID通信』はプラント新市長が次のように述べたと報じている。
「市民は、何の助けにもならないお粗末な計画によるプロジェクトにお金を無駄につぎ込むことはできないという意思を明確にしたのです」
プラント市長はフォーミュラEの開催を1年お休みにすることを提案したと語り、「フォーミュラEのリーダーたちはその選択肢を断固として拒絶しました」と付け加えている。
さらに、地元の『Le Journal de Montreal(ジュルナル・ド・モントレアル)』紙はプラント市長の次のようなコメントを掲載している。
「このような条件のもとでフォーミュラEがモントリオールに戻ってくることはないでしょう」
■ジル・ビルヌーブ・サーキットでの開催も視野に?
前市長時代にモントリオールはフォーミュラEと3シーズンに及ぶ契約を結んでおり、今回の市長交代による契約破棄が今度どのような形で尾を引くことになるのかが気になるところだ。
伝えられるところによれば、通常は市街地コースでレースを行うフォーミュラEだが、代替案のひとつとしてF1の開催地として知られるジル・ビルヌーブ・サーキットでの開催も視野に入れているようだ。