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フェラーリ会長「ほかのチームを引き連れてF1離脱もありえる」

2017年12月19日(火)16:45 pm

フェラーリ会長のセルジオ・マルキオンネが、再び2020年限りでF1から撤退し、新シリーズを立ち上げる可能性に言及した。

10月末に新F1オーナーのリバティ・メディアが2021年以降のF1エンジンコンセプトを発表したが、フェラーリやメルセデス、そしてルノーもその案には反対の立場であることを表明している。

特に、フェラーリのマルキオンネはもしもその案がそのまま採用されるようであれば、2020年を最後にF1から撤退すると主張するなど、強硬な姿勢を見せている。

このマルキオンネのF1撤退発言に関しては“単なる脅し”に過ぎず、フェラーリが自分たちに有利となるようルールを修正するための作戦だととらえている者も少なくないようだ。

■NASCARのようなF1に興味はない

だが、マルキオンネはこのほどイタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に次のように語った。

「何よりも悩ましいのは、ロス・ブラウン(F1モータースポーツ責任者)のような経験豊かな人物がF1のDNAに反するような手段をとろうとしていることだ」

「シンプルで安価なエンジンを使う同じようなクルマを造るとなれば、それはまるでNASCARだ。我々はそれには興味ない」

■ほかのチームも新シリーズに連れていける

そう語ったマルキオンネは、F1撤退の話は単なる脅しではないと次のように主張した。

「将来に向けて全員が満足できるバランスのとれた解決策を見いだす必要がある。そして我々は期限内にそうすることになるだろうと思う」

「そうならなければ、フェラーリは去ることになるだろう。もし我々がはったりを言っているのだと思う者たちがいれば、彼らは痛い目を見ることになるかもしれないよ」

そう語ったマルキオンネはさらに、現在F1チームが結んでいるコンコルド協定は2020年に等しく満期を迎えることになるため、フェラーリがほかのチームを引き連れてF1に代わる新たなシリーズを立ち上げることも可能だと次のように続けた。

「私は、フェラーリはほかのチームたちも一緒に別の選手権へと導くことできる強さを持っていると思う」

■すでに新シリーズ立ち上げの布石も?

フィアット・クライスラーの最高経営責任者でもあるマルキオンネは、2018年にザウバーとのタイアップによりアルファロメオブランドをF1に復活させることに取り組んできていた。

また、マルキオンネはアルファロメオ同様フィアット・クライスラーの傘下にあるマセラティをハースF1と組ませようとしていたようだが、少なくとも2018年にそれが実現することはないと次のように語った。

「私の心の中にはマセラティのためにやるべきことが刻まれている。だが、今すぐという話ではない」

ともあれ、F1関係者の中には、そうやってアルファロメオやマセラティをF1に参入させる動きを見せながら、片方でフェラーリの撤退をちらつかせるのは理にかなわないと考えている者もいる。

だが、そうした動きによって各チームとの関係強化を進めることは、新シリーズ立ち上げの準備の一環にもなるととらえることができそうだ。

今後リバティ・メディアとフェラーリやメルセデスらの交渉がどのような展開を見せるのかに大きな注目が集まるのは間違いないだろう。

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