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新エンジンルールでグリッド降格ペナルティーも減るとロス・ブラウン

2017年11月18日(土)19:58 pm

2021年からの導入に向けて議論されているF1の新しいエンジンルールについて、リバティ・メディアのモータースポーツ責任者ロス・ブラウンが語った。

現在F1に参戦しているエンジンメーカーは、発表された新しいエンジン規定に否定的な態度を示している。また、予算の上限を設定する案にもチームの反発が予想される。

■ルールがレースの良し悪しに影響する

本来、統括団体であるFIA(国際自動車連盟)が行うべきルールの設定に、商業権者であるリバティ・メディアがなぜ関わるのかという疑問もある。

「なぜかといえば、ルールによってスポーツの商業的な成功も決まるからだ」とブラウンは『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に話している。

現在のエンジンは「良いレースにするためには間違った方法」だとブラウンは話す。

「このまま続けることはできない」

「結果が向上しないために既存のメーカーを1社か2社失うことになったらどうなる?」

WEC(世界耐久選手権)からポルシェが撤退を決めたことも、ブラウンやリバティ・メディアが抱く危機感に影響していると記事は伝える。

■グリッド降格ペナルティーを減らす方策

現在のパワーユニットで問題になっているのが、年間の使用数を超えた際のグリッド降格ペナルティーだ。

これはコストを制限するためのルールだが、信頼性に問題を抱えるホンダやルノーは多くのペナルティーを受けており、第19戦ブラジルGPまでに科せられたグリッド降格の数は、合計675に上ると記事は伝える。

ブラウンは、パワーユニットの一部を標準化することでこの問題を解決できると話す。

「もし認可を受けた既製品のターボが3000ドル(約33万円)だったら、シーズン中にいくつ使おうと構わない」

2021年からの案にはバッテリーの標準化が含まれる。これにはルノーのシリル・アビテブールも賛成だ。「ルノーは自動車メーカーであってバッテリーメーカーではないから」と話す。

■反対が根強いMGU-Hの廃止

もう一つ提案されているのが、エネルギー回生装置のMGU-Hの廃止だ。

MGU-Hはターボの熱エネルギーを再利用する装置だが、複雑なシステムのため、新規参入の大きなさまたげとなっている。しかし、この開発に巨費を投じてきた既存メーカーは、廃止に反対の立場だ。

ブラウンは、新ルールの提案がフェラーリやメルセデスなどの動揺を誘う形になったことを謝罪しながらも、12か月かけて交渉を進めるとしている。

しかし、MGU-Hの廃止に関しては、「非常に説得力のある主張でもない限り」撤回はないだろうとブラウンは話している。

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