レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーが、F1オーナーであるリバティ・メディアが示した将来のF1ビジョンを擁護する発言を行った。
10月末にリバティ・メディアが2021年以後のF1エンジンルール案を示したのに続き、2019年から試験的にF1チームの予算に上限値を設定する方向であることも明らかになっている。
■リバティが示したビジョンに抵抗を示すフェラーリとメルセデス
だが、そこで提案された内容に対してフェラーリやメルセデスは反対の立場をとっており、フェラーリ会長のセルジオ・マルキオンネは最悪の場合はF1撤退もありえるとまで示唆するに至っている。
また、メルセデスAMGの非常勤会長を務めるニキ・ラウダも、リバティ・メディアが示した計画には「不安」を覚えるとコメント。かなり劇的に変わることになるであろうF1のビジョンに対して不安と不信を感じていると発言している。
■これまでとは違うビジネスモデルを目指すF1
だが、ホーナーはラウダのコメントは「少しばかり公平を欠き、根拠に乏しいものだ」との見解を示している。
ホーナーはオーストリアの『Osterreich(エステルライヒ)』に対し、F1の収入が減っている責任がリバティ・メディアにあるわけではないと次のように主張した。
「彼らは、我々がこれまでに行ってきたものとは異なるモデルでこのビジネスへの投資を行っているんだ」
リバティ・メディアと同じアメリカに拠点を置くハースF1のチーム代表ギュンター・シュタイナーもホーナーと同意見のようだ。
シュタイナーは次のように語った。
「ニキとバーニー(エクレストン/前F1最高責任者)は60年も一緒にやってきていた。だから、彼はほかの者たちに比べると、こういう変化を受け入れることが難しいんじゃないかな」
■これほどの抵抗は予想していなかったブラウン
ともあれ、リバティ・メディアがF1になんらかの改革をもたらそうとしているのは事実だ。そしてスポーツそのものの部分に関する責任を与えられたのがF1モータースポーツ責任者のロス・ブラウンだ。
そのブラウンは、自分が中心となって考案した2021年以降のエンジンルールや予算制限に関し、メルセデスやフェラーリが明確に反対していることは「少しショックだ」と認め、次のように続けた。
「よく検討して、もっと違う形で提案することもできたかもしれない。だが、私はこれほど強く反対されるとは予想していなかったんだ」
「もしこのことでみんなが非常にうろたえているとしたら、私は謝りたいと思う」