フェリペ・マッサ(ウィリアムズ)が、2018年は1年間休養にあて、2019年にまたレースの世界に戻ることになるかもしれないと語った。
■2度目の引退発表を行ったマッサ
本来2016年シーズン限りでF1を引退すると発表していたマッサだったが、2016年に初のF1タイトル奪取とともにニコ・ロズベルグ(当時メルセデスAMG)が電撃引退してしまったことでその予定に狂いが生じてしまっていた。
メルセデスAMGがロズベルグの後任としてウィリアムズからバルテリ・ボッタスを引き抜くことになったものの、ウィリアムズでは2017年にはルーキーのランス・ストロールがデビューすることになって。そのためウィリアムズではその指南役としてもう1年F1を続けて欲しいとマッサを説得したのだった。
実際、2017年もウィリアムズで走ったマッサだが、来年以降もF1にとどまりたいという気持ちが強くなっていたようだ。しかし、そのチャンスがないことが明らかになったとき、マッサは2度目のF1引退を発表するしかなかった。
■2017年のF1マシンは楽しかった
「もう1年やりたかったよ」
母国ブラジルの『Globo(グローボ)』にそう語った36歳のマッサは、次のように続けた。
「幅広タイヤを履いて、より強い空力効果を得たクルマでうまく走れたことに気分をよくしていたんだ。以前のクルマよりも運転していて楽しかったからね」
「僕はずっとチームと話をしていたけれど、彼らも実際にどういう方向へ進みたいのか分かっていなかったんだ。僕は彼らに対し、ブラジルまでに答えが欲しいと言ったんだ。それが限界だとね」
「僕たちはこのことについて先週話をしたけれど、彼らは違う道を選ぶことになるんじゃないかな。いつ、どういう決断をウィリアムズが下すことになるのか、僕には分からない。だけど、彼らは違う道を選ぼうとしているよ」
■2019年にはフォーミュラE参戦も?
2年連続でF1引退を発表することになってしまったマッサだが、このタイミングではうわさに上ったフォーミュラEへ行くにもすでに遅すぎるだろうと次のように続けた。
「休息をとるいいチャンスだし、あるいは1年後には何かやりたいことを思いつくだろう。レースをするだろうけど、それは楽しむためだ。選手権ではなくてね」
「僕はフォーミュラEで走ろうかと思ったし、最近も話をしていたよ。だけど選手権はすぐに始まるし、ほとんどのチームはすでにシートが埋まっている」
「だから今回は見送ることになるけれど、そのかわり、いい1年にできるよう、いいチームを見つけ、僕にとって正しい道を備えたいと思っているんだ」
■マッサ引退がブラジルに与える影響は?
ともあれ、マッサが今季限りでF1を去れば、グリッドにはブラジル人ドライバーが1人もいなくなってしまう。
その影響について質問されたマッサは、次のように答えた。
「ブラジル人がいなくなったらどうなるかを語るのはすごく難しいね」
「ブラジル人はほかのブラジル人を応援するのが好きなんだ。だから、どうなるか答えるのは難しいよ」
そう答えたマッサは、次のように付け加えた。
「F1が、これからもみんなが応援し続けるスポーツであることを願うよ。すごく重要なカテゴリーだし、これまでずっとブラジルで行われてきているんだからね」