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フェラーリの危機対応能力に疑問符?

2017年11月02日(木)5:33 am

元F1エンジニアのトニ・クケレラが、フェラーリというチームにはあまりにも簡単に「危機」に陥ってしまい、そこから抜け出すことが困難になるという性質があると述べた。

■シーズン後半に失速したフェラーリ

2017年シーズン前半にはセバスチャン・ベッテルがランキングトップに立ち、2007年のキミ・ライコネン以来となるF1ドライバーズタイトルをフェラーリにもたらすかと期待された。

だが、シーズン後半に入るとフェラーリに大ブレーキがかかってしまった。特にアジアラウンドに入った第14戦シンガポールGPを同士打ちリタイアで終えたフェラーリは、それで焦ってしまったのか続く第15戦マレーシアGP、第16戦日本GPでは立て続けに信頼性の問題を抱えてしまったことでタイトル争いから脱落。そしてついに第18戦メキシコGPにおいて今季あと2レースを残してルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)のドライバーズタイトル獲得が決定してしまった。

■アジアでの2レースが危機の始まりだった

かつて鈴木亜久里率いるスーパーアグリに在籍し、その後BMWザウバーでロバート・クビサの担当エンジニアを務め、2012年にはHRTのテクニカルディレクターに就任したというF1キャリアを持つクケレラは、母国スペインの『El Pais(パイス)』に次のように書いている。

「フェラーリはこれまでの数年に比べると非常に競争力があった」

「フェラーリは(ここまでの)18レース中5レースにメルセデスAMGよりもいいクルマを持ち込んでいた」

「いい1年だったし、彼らは満足すべきだ。だが、フェラーリはこれまで同様、2レースをひどい成績で終えてしまい、そこから危機が始まってしまった。そしてメルセデスAMGがそれで大きなアドバンテージを得たのだ」

■2018年には意外なチームが勝利する可能性も

クケレラは、今のフェラーリに必要なことは今年味わった苦境のことは忘れて、2018年には開幕当初から競争力のあるパッケージを持ち込むことだと考えている。

しかしクケレラは、フェラーリにとってそれは簡単なことではないだろうと次のように続けた。

「フェラーリは危機を克服することが苦手だ。一方、レッドブル、あるいはマクラーレンなどは来年には結束力と自信を持てるレベルに到達することができるだろう」

「今年は、最速チームの最速ドライバーが勝った。だが、最近の流れを見れば必ずしもその強さが継続されるとは限らない」

そう語ったクケレラは、次のように付け加えている。

「次のタイトルは、これまで常に最高のクルマを持ち込んでいたわけではないチームが勝ち取る可能性もある」

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