今季から新たなF1オーナーとなったアメリカのリバティ・メディアが着々とF1改革に取り組んでいる。
●【動画】新F1、レース前に“アメリカ流”ドライバー紹介 クリントン元大統領やウサイン・ボルトも登場
■ショーアップされたアメリカGP
先週末にテキサス州オースティンで開催されたF1アメリカGPは、オーナーの地元アメリカでの開催ということもあって、レース前にはこれまでのF1では見られなかったやり方が導入されていた。
いつもよりも早めにピットレーンがオープンされ、国歌斉唱の前にはアメリカが誇る伝統レースであるインディ500と同じように、各チームのドライバーたちがアナウンサーによる紹介とともに順番にコースへ姿を見せるという異例の形式を採用。
さらには、ゲストとして迎えられた陸上短距離世界記録保持者であるウサイン・ボルトがスタートフラッグを振るというF1ではこれまでに見られなかった光景も展開された。
こうした取り組みについて、リバティ・メディアからF1マーケティング責任者に指名されたショーン・ブラッチーズは次のように語っている。
「我々はF1をスポーツとショーの垣根を越えるものにしたいんだ」
■年間レース数増加に向けて金曜フリー走行を廃止?
こうしたF1改革は、ショーやイベントばかりでなく、F1ルールの部分にも及んでくることになりそうだ。
リバティ・メディアによってF1モータースポーツ責任者に指名されたロス・ブラウンは、F1ビジネス記者として知られるクリスチャン・シルトを通じて『Forbes(フォーブス)』に今後さらに年間レース数を増やすために金曜フリー走行を廃止することも検討していると次のように語った。
「我々が取り組んでいることのひとつにレース週末の形式をどうするかということがある。もっとレース数を増やすためには輸送面の負担を軽減しなくてはならないから、これを変更することが必要かどうかを検討しているんだ」
■スターティンググリッド3列化も?
また、ドイツの『Bild(ビルト)』は、別のアイデアとして、F1が伝統的に採用してきたスタート時の2列グリッドを見直す動きも出てきていると伝えている。
『Bild(ビルト)』によれば、将来的にはF1がサーキットのコース幅などに応じて2列もしくは3列グリッドを採用することになるかもしれないという。これはスタート時の競争をさらに激化させること、そしてクラッシュ発生のリスクを高めることが目的だという。
その記事の中で、F1最高責任者であるチェイス・キャリーは次のように述べている。
「我々はファンにより多くのものを提供する方法を模索しているところだ」