今週末のF1アメリカGP(22日決勝)からルノーのドライバーを務めることになったカルロス・サインツが、これまで所属していたトロロッソとルノーはまるで違う世界ほどの違いがあると語った。
今でもレッドブルの支配下にあるサインツだが、2018年にはレンタル移籍という形でルノーに移り、そこでフルシーズンを戦うことが少し前に発表されていた。
しかし、それに先駆け、サインツは日本GPを最後にトロロッソに別れを告げ、今季の残り4戦をルノーで戦うことが決定している。
■サインツを歓迎するとヒュルケンベルグ
今週末にオースティンで行われるアメリカGPからジョリオン・パーマーに代わる新たなチームメートとしてサインツを迎えることになったニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)は母国ドイツの『Kolner Express(ケルナー・エクスプレス)』に次のように語った。
「カルロスは若くて野心的なドライバーだ」
「彼は僕たちが(コンストラクターズ)選手権5位になるのを助けてくれるはずだよ」
「僕は本当に誰とでもうまくやっていけるし、彼と一緒にやるのを楽しみにしているよ」
■ポイント獲得の期待がかかるサインツ
現時点でのコンストラクターズランキングでは、ルノーは合計42ポイントで8番手につけている。今季のコンストラクターズランキングは事実上すでに4位までは確定している状況だ。しかし、66ポイントで5番手につけているウィリアムズとルノーの差は現時点で24ポイントであり、残り4レースでヒュルケンベルグとサインツがコンスタントにポイントを獲得できればまだ逆転の可能性も残されている。
仮に5位は無理だとしても、サインツが抜ける6番手のトロロッソとは現在10ポイント差しかなく、ルノーが最終的に6位の位置を確保できる可能性はかなり高いと言えるだろう。
しかも、現在までにルノーが稼いだ42ポイントのうち34ポイントはヒュルケンベルグが持ち帰ったものだ。ここにトロロッソですでに今季48ポイントを獲得した実績のあるサインツが加わるということになれば、ルノーとしても今後の順位アップを期待するのも当然だろう。
■ルノーもサインツ加入でモチベーションアップ
しかし、シーズン途中でチームを移籍するサインツにとって最大の課題となるのが、どれくらい早くルノーのF1マシンに慣れることができるかということだろう。
F1関係者の中には、あえてこの時期に移籍するのは逆にマイナス面の方が多いのではないかと懸念する者もいる。
だが、サインツのマネジャーを務めるいとこのカルロス・エルノロは、サインツはすぐにルノーに溶け込めて活躍できるはずだと考えている。
サインツはシート合わせなどのためにすでにエンストンにあるルノー本部を訪れているが、その際にチームから「盛大な歓迎」を受けたと語ったエルノロは次のように続けた。
「雰囲気はすごくよかったし、みんなカルロスに会えてすごく喜んでいたよ。少し前から彼がチームに加わることは分かっていたからね」
「これから長いシーズンを締めくくる最後の数レースを迎えるにあたり、彼が加わることはチームにとっては大きな刺激となるものだ」
■ルノーはまるで別世界だとサインツ
サインツ本人もエンストンのファクトリーには非常に感銘を受けたと次のように語った。
「ファクトリーの拡張工事はまだ途中だけど、すでに640名もの人たちがあそこで働いているんだ」
「あの施設を見れば、ルノーのF1トップ返り咲きに向けた決意のほどが伝わってくるよ。トロロッソと比べるとまるで別世界だね」
■サインツの個人スポンサーもルノーへ?
なお、サインツのルノー移籍に伴い、サインツの個人スポンサーを務めているスペインのビールブランド「エストレーリャ・ガルシア」もトロロッソからルノーへと支援先を変えることになりそうだ。
エルノロはこの件に関して次のように語っている。
「原則として、彼らは今年と来年に向けた条件についてチームと話し合いをしているところだよ」