現在F1公式タイヤサプライヤーを務めているイタリアのピレリが、インテルラゴス・サーキットの新オーナーになる可能性が浮上してきたと伝えられている。
イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』が伝えたところによれば、インテルラゴス・サーキットを所有するサンパウロ市のジョアン・ドリア市長がこのほどミラノにあるピレリの本社を訪れたという。
ピレリのマルコ・トロンケッティ・プロベラ社長との会談に臨んだドリア市長は次のように語った。
「ピレリはブラジルとF1のいずれにおいても非常に大きな存在だ。だから私は社長と会ってサーキットの民営化についての話し合いをしたいと思っていたのだ」
「彼(トロンケッティ・プロベラ)は私に、この件を中国の投資家(ピレリのオーナー)に上申すると言ってくれたよ」
ドリア市長によれば、現時点において「いくつかのグループ」がインテルラゴス・サーキットの買収に興味を示しているという。
しかし、ピレリはその後ブラジルの『O Estado de S.Paulo(オ・エスタード・ジ・サンパウロ)』の取材に対し、次のような回答を行ったという。
「ピレリは投資家を求める市長の取り組みと努力を支持する」
「だが、当社(ピレリ)としては、今回直接的にかかわることは考えていない」
今年で通算45回目の開催を迎えるF1ブラジルGP(11月12日決勝)だが、インテルラゴスでの開催は35回目となる。しかし、近年ブラジル経済が不況に陥っていることにより、開催継続が危ぶまれる状況となっている。
以前、F1の前最高責任者であるバーニー・エクレストンがインテルラゴス買収に興味を持っていると報じられたこともある。
今後ピレリがインテルラゴス救済のためにどのような支援を行うことになるのかはまだ分からない。だが、ピレリの前モータースポーツ責任者であるポール・ヘンベリーが現在は南米地区統括責任者を務めていることもあり、モータースポーツを軸とするマーケティング戦略の一環としてピレリがブラジルGP存続に向けた取り組みに水面下でかかわっていくことは十分に考えられそうだ。