元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーは、2018年シーズンにはルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)とセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)のタイトル争いがさらに激しさを増すはずだと考えている。
■事実上今季のタイトル争いから脱落したベッテル
今季序盤はF1チャンピオン候補筆頭の座にいたベッテルだが、シーズン後半に入ると思わぬ失速状態に陥ってしまった。夏休みが明けてからは同士打ちによるリタイアやマシントラブルなどに見舞われ、第12戦ベルギーGP以降の5レースでは一度も表彰台の中央に立つことができずに終わっている。
一方、その5レースのうち4レースで優勝を飾ったランキングトップのハミルトンは、残り4戦となった時点でベッテルに59ポイント差を付けており、事実上今季のF1タイトル獲得が九分九厘間違いのない状態となっている。
■フェラーリは予想以上によくやったとベルガー
だが、かつてフェラーリやマクラーレンで活躍したベルガーは、ベッテルは自分自身を敗者だと考えるべきではないと主張している。
「ベッテルは自分が2017年の敗者だと感じるべきではないよ」
そう『Auto Bild(アウト・ビルト)』に語ったベルガーは、次のように続けた。
「フェラーリは昨シーズンからは大躍進を遂げたし、メルセデスAMGに対して予想以上のプレッシャーを与えたんだ」
「2018年にはハミルトンとベッテルの間で激しい戦いが繰り広げられるだろう。そのときにはどちらも4度チャンピオンになった者同士ということになるだろうね」
ベルガーがこの発言を行ったのは現在運営責任者を務めているDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)の今季最終戦が行われた先週末のホッケンハイムでのことだった。
■フェラーリは序盤の好調があだに?
今シーズン後半になってベッテルが一気にタイトル争いから後退してしまった理由は、第14戦シンガポールGPで起きた同士打ちクラッシュによるリタイアもあるが、第15戦以降はメカニカルトラブルに見舞われてしまったことが大きい。
どうしてここへ来てフェラーリのトラブルが頻発したのだと思うかと質問されたベルガーは、「恐らく、フェラーリは自分たちが(シーズン序盤に)かなりうまくやれたことに驚き、そのことで大きなプレッシャーを抱えてしまったんじゃないかな」と答え、次のように付け加えた。
「計画よりも開発速度を上げてしまえば、故障が発生するリスクは高まるものなんだ」