フェラーリの地元イタリアのメディアたちが、先週末のF1シンガポールGP決勝で起きた悲劇を嘆いている。
【動画】スタート直後の大波乱!フェラーリ同士打ち/F1シンガポールGP決勝レース
シンガポールの予選ではセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がそれまでの不利をはね返してポールポジションを獲得。3ポイント差でランキングトップに立っていたルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が予選5番手に沈んだことから再びベッテルがハミルトンを逆転してポイントリーダーに返り咲く可能性が極めて高いと考えられていた。
■痛恨のリタイアを喫したフェラーリ
ところが、決勝レースがスタートした直後にフェラーリ2台とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がからむクラッシュが発生。ベッテルは1周もせずに今季初リタイアを喫してしまった。
これによって難なく首位に立ったハミルトンがレースを支配。この結果ハミルトンとベッテルの差は一気に28ポイントに拡大。ベッテルとフェラーリにとってはまさに痛恨のレースとなってしまった。
■フェラーリが自ら墓穴を掘ったと伊メディア
当初、フェラーリのチーム代表を務めるマウリツィオ・アリバベーネは、フェルスタッペンがこのクラッシュの原因を作ったとして非難していた。
だが、フェラーリの地元イタリアのメディアも、今回のクラッシュに関してフェルスタッペンを責めるのはお門違いだということは分かっているようだ。
『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は「フェラーリがすべての間違いを犯した」と書き、次のように付け加えている。
「赤いクルマ2台が自分で自分を破壊してしまった。最高のホラー映画監督でさえ、あんなことは想像もできなかっただろう」
■過去10年で最大の悲劇
また、『Corriere dello Sport(コリエーレ・デロ・スポルト)』は第一面に次のように書いている。
「ダメだ、ベッテル! それはないよ!」
「シンガポールでの最初の300メートルで、フェラーリにとって過去10年間で最も破滅的な出来事が起きてしまった」
■わずか数秒でタイトル獲得の望みが・・・・・・
今季はベッテルとハミルトンによるタイトル争いが最終戦まで続くだろうという見方も多かったが、残り6レースで28ポイントもの大差がついてしまったことで、最終戦を待たずしてハミルトンの通算4度目のタイトル獲得が確定する可能性も高くなってきている。
『Tuttosport(トゥットスポルト)』は、シンガポールGP決勝開始直前に降り始めた雨により、フェラーリの夢があえなく消えてしまうことになると次のように書いている。
「壊滅的な事故により、マラネロ(フェラーリ)のタイトル獲得の希望も水中に没してしまった。わずか数秒でシーズンそのものがだめになってしまった」
そして、『La Stampa(スタンパ)』も次のように書いている。
「これでハミルトンは楽々とF1タイトルに歩み寄ることができる」