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【決勝レポート】フェラーリに悪夢 ハミルトンが逆転優勝/F1シンガポールGP

2017年09月18日(月)0:15 am

2017年F1第14戦シンガポールGPが9月17日(日)、マリーナ・ベイ・ストリート・サーキット(1周5.065km)で3日目を迎え、現地時間20時(日本時間21時)から行われた決勝でメルセデスAMGのルイス・ハミルトンが優勝した。今季7勝目、通算60勝目。

●【決勝結果】F1シンガポールGP決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数

■波乱を予感させたレース前に降り出した雨

レース開始直前に降り出した雨により、今年のシンガポールGP決勝は全車がグリッド上で雨用タイヤに交換するという異例の展開となる。水量が少ないときに使用するインターミディエイトを装着したドライバーが多かったものの、深溝のウエットタイヤでのスタートを選択したドライバーも見られた。

そして、レースはスタート直後に大きな波乱が起きてしまう。

ポールポジションからスタートしたセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が2番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)をけん制するようにドアを閉めにかかる。ところがそのフェルスタッペンの横にはすでに4番グリッドからスタートしたキミ・ライコネン(フェラーリ)が並びかけていた。行き場を失ったフェルスタッペンとライコネンがクラッシュし、ライコネンは反動でベッテルのクルマにもぶつかってしまう。

なんとか体勢を立て直してトップでターン3を抜けたベッテルだったが、雨にぬれた路面に足をとられターン4を抜けたところでウォールにクラッシュ。ここでセーフティカーが導入されるが、フェラーリはここで2台とも姿を消すことになってしまった。

■アロンソももらい事故で無念のリタイア

8番グリッドから好スタートを決めて大きく順位を上げようとしていたフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)だが、運悪くターン1で起きたフェラーリとレッドブルのクラッシュに巻き込まれ、クルマがはじきとばされるほどの衝撃を受けてしまい、12番手に順位を落としてしまう。

5周目にレースが再開されると、1周目の混乱のすきに先頭に立っていたハミルトンが2番手のダニエル・リカルド(レッドブル)との差をどんどん開いていく。表彰台のない最多出走ドライバーというありがたくない記録に並んでいるルノーのニコ・ヒュルケンベルグが3番手に上がっており、初表彰台の期待が膨らむ状況となった。

9周目には1周目のもらい事故でフロアに大きなダメージを受けていたアロンソがペースダウン。アロンソはポイント獲得のチャンスが大きかったシンガポールでも無念のリタイアとなった。

■2度目のセーフティカーでもハミルトンがトップをキープ

そして、11周目に入ったところでトロロッソのダニール・クビアトがバリアにクラッシュ。ここで2度目のセーフティカー導入となる。ここで2番手を走行していたリカルド、3番手を走行していたヒュルケンベルグら数台がピットに入り、新しいインターミディエイトタイヤに交換する。ハミルトンはタイヤ交換を行わず、そのままコース上にとどまるが、リカルドは順位を失うことなく2番手でコース復帰を果たす。

15周目にセーフティカーが退き、レースが再開される。しかしハミルトンが新しいタイヤを装着したリカルドよりも速いペースを見せ、周回を重ねるごとに両者のギャップが開いていく展開となる。

■中盤以降はドライタイヤでの戦いに

レースが25周目に入ったとき、その時点で11番手を走行していたハースのケビン・マグヌッセンがピットインし、ドライタイヤ(ウルトラソフト)に交換。マグヌッセンはその後そのタイヤでファステストラップを刻む走りを見せ、ライバルたちも一斉にドライタイヤへ交換し始める。

トップ集団では29周目に2番手のリカルドと3番手のバルテリ・ボッタス(メルセデスAMG)がウルトラソフトに交換。ハミルトンはその1周後にピットに入るが、それまでに十分なギャップを築いており、危なげなくトップでコースに復帰する。

■ヒュルケンベルグが無表彰台記録を更新

コースがほぼ完全にドライ状態となった38周目にザウバーのマーカス・エリクソンが単独スピンによりクラッシュ。このクルマの撤去作業のために今日3回目のセーフティカーが導入される。

この間にキャリア初表彰台の可能性を残す4番手を走行していたヒュルケンベルグがピットイン。何かトラブルを抱えてしまったと見られるヒュルケンベルグはこれで10番手に順位を落としてしまう。

セーフティカー先導によりそれまでの各マシンのギャップがなくなり、42周目にレースが再スタートされる。ここでもハミルトンがまた素晴らしいペースを見せ、一気にリカルドとの差を広げていく。

その後ヒュルケンベルグが49周目にピットインし、無念のリタイアとなってしまう。さらに51周目にはハースのケビン・マグヌッセンにもトラブルが発生してリタイア。これでコース上には12台が残るのみとなった。

■逆転優勝のハミルトンがベッテルとのポイント差を大きく拡大

結局3度のセーフティカー導入などにより、規定の61周を迎える前に2時間が経過。レースが58周を消化したところで先頭のハミルトンにチェッカーフラッグが振られた。

ハミルトンが優勝し、ベッテルがノーポイントに終わったことで両者のポイント差は28ポイントに拡大。ハミルトンが今季のF1タイトル獲得に向けてかなり有利な立場となった。

2台そろってポイント圏内グリッドからスタートしたマクラーレン・ホンダだが、アロンソがスタートで不運なアクシデントに巻き込まれリタイアに終わったものの、ストフェル・バンドーンは自己最高位となる7位でフィニッシュしている。

■シンガポールGP決勝トップ10ドライバー(暫定)

優勝/ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)
2位/ダニエル・リカルド(レッドブル)
3位/バルテリ・ボッタス(メルセデスAMG)
4位/カルロス・サインツ(トロロッソ)
5位/セルジオ・ペレス(フォース・インディア)
6位/ジョリオン・パーマー(ルノー)
7位/ストフェル・バンドーン(マクラーレン)
8位/ランス・ストロール(ウィリアムズ)
9位/ロマン・グロージャン(ハース)
10位/エステバン・オコン(フォース・インディア)

次戦F1第15戦マレーシアGPは9月29日(金)の現地時間11時(日本時間12時)に開幕。決勝は10月1日(日)の現地時間15時(日本時間16時)にスタートする。

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