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【マクラーレン・ホンダ問題】各々の現状と思惑まとめ

2017年09月13日(水)4:27 am

3年目のマクラーレン・ホンダも大苦戦している。ホンダのスピードと信頼性不足にとうとうしびれを切らしたフェルナンド・アロンソとマクラーレンは、ホンダとの関係解消に動いている。

しかし、マクラーレン・ホンダの関係を解消するには、非常に複雑な現実と、各々の思惑があり、それらをまとめてみると、非常に多くの関係者が関係しているのがわかる。一方で、マクラーレン・ホンダが契約を解消することで、新たなチャンスが生まれているのもわかってきた。

F1界を巻き込んだマクラーレン・ホンダ問題の中心は、フェルナンド・アロンソだ。各々の現状と思惑をまとめると以下のようになる。

■フェルナンド・アロンソ
・マクラーレン・ホンダ継続ならチームを離れるのは決定的。
・ホンダ以外のPUを希望。
・最善のシナリオ:【マクラーレン・ルノー残留、契約金額キープまたはアップ】

■マクラーレン側
・アロンソと契約更新をすべく、ホンダとの関係を解消する必要あり。
・メルセデス、フェラーリはすでに各々3チーム体制で供給不可。
・トロロッソとルノーが契約を解除すると、ルノー、レッドブルの2チーム体制となり1チーム供給可能。
・ホンダを失うことで、ホンダからの支援金や開発サポートも失うが、アロンソとルノーPUが手に入る。
・アロンソとは、ホンダからルノーへ変更することで契約金減額交渉したい。
・最善のシナリオ:【マクラーレン・ルノー誕生、アロンソ残留、チーム力アップ】

■FIA側
・ホンダの供給先がなくなることによるF1撤退は絶対に避けたい。
・最善のシナリオ:【ホンダF1継続】

■ホンダ側
・マクラーレン・ホンダ継続を最優先。
・他へのPU供給交渉するもまとまらず。
・マクラーレンの契約解除意向を受け、トロロッソ・ホンダ誕生濃厚。
・最善のシナリオ:【トロロッソ・ホンダ誕生でF1残留】

■ルノー側
・トロロッソとの契約を解除することで、3チーム目としてマクラーレン・ルノー誕生可能。
・トロロッソ側への解約条件は、カルロス・サインツの契約買い取りによる即時移籍。
・成績を残せていないジョリオン・パーマーに代えて、カルロス・サインツを起用。
・最善のシナリオ:【マクラーレン・ルノー誕生&アロンソ継続、カルロス・サインツ獲得】

■トロロッソ側(レッドブル)
・トロロッソは、レッドブル・ジュニアドライバーの育成チーム。
・親会社レッドブルとしては常々トロロッソの運転資金を軽くしたいと考えてきた。
・トロロッソ・ホンダが実現すれば、無償PU、多額の金銭援助が得られる。
・ホンダPUとともに、マクラーレン製ギアボックスも使用。
・チームを売却しなければ、これまで同様ジュニアドライバーを乗せられ、育成チームとしての機能を果たす。
・育ててきたカルロス・サインツの契約を売却し資金獲得。
・ピエール・ガスリーがF1デビュー。
・最善のシナリオ:【トロロッソ・ホンダ誕生で資金も獲得】

■レッドブル側
・レッドブルとしては、再びチャンピオン争いをするためにはワークスPUが必要。
・将来的にホンダのPU性能が向上すれば、レッドブル・ホンダもあり得る。
・最善のシナリオ:【トロロッソ・ホンダ誕生で資金も獲得】

■カルロス・サインツ(トロロッソ)
・レッドブル昇格がなくなった今、ワークスチームのルノー移籍にチャンスを見出したい。
・最善のシナリオ:【ルノー移籍】

■ジョリオン・パーマー(ルノー)
・カルロス・サインツ移籍により、シート喪失。
・最善のシナリオ:【ルノー残留・・・】

■ピエール・ガスリー(レッドブル・ジュニアドライバー)
・昨年GP2チャンピオン、今年スーパーフォーミュラで2連勝、F1テストでも実力発揮。
・カルロス・サインツのルノー移籍によるトロロッソの空席に昇格。
・最善のシナリオ:【トロロッソ・ホンダ誕生でF1デビュー】

■松下信治
・FIA F2で現在シリーズランキング6位。F1出場資格のスーパーライセンス発給にはランキング3位以上が必須。ランキング3位からは38ポイント足りない。残りは2戦4レース。
・マクラーレン・ホンダ解消により、マクラーレン開発ドライバーから外れることは濃厚。
・最善のシナリオ:【トロロッソ・ホンダ誕生、F2シリーズランキング3位以上】

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