フォース・インディアが2018年に向けてセルジオ・ペレスとの契約を延長する可能性が高いようだ。
すでに夏休み前にはペレスとの契約延長はほぼ間違いないと報じられており、近々正式な契約が締結されるはずだと考えられていた。
■同士打ちでドライバー変更もうわさされるフォース・インディア
ところが、第12戦ベルギーGPではレース中に2度もセルジオ・ペレスとチームメートのエステバン・オコンが接触するという“事件”が発生。すでに第8戦アゼルバイジャンGPでも同士打ちを演じていた2人の関係はさらに悪化し、レース後にはお互いに相手を非難するコメントを発するという状況を迎えていた。
こうしたことから、フォース・インディアも同じドライバーラインアップを来季も継続することに懐疑的になったようだと報じられるようになり、気の早いメディアもその後任候補として来季ザウバーのシートを失うことが確定的なメルセデス所属ドライバーのパスカル・ウェーレインの名前を報じるといった状況となっている。
■あとはスポンサーとの交渉だけだとフォース・インディア
だが、最新の情報によれば、フォース・インディアとペレスは次戦シンガポールGP(17日決勝)までに契約を締結する方向で交渉に臨んでいるようだ。
フォース・インディアのCOO(最高執行責任者)であるオットマー・サフナウアーは次のように語った。
「チェコ(ペレスの愛称)と合意するにあたって、もうそれほど問題は残っていないよ」
本来であれば、先週末に行われた第13戦イタリアGPまでには合意に至るはずだと報じられていたものの、その交渉が長引いたのには理由があったのだとサフナウアーは次のように続けた。
「彼(ペレス)がレースを始めてからずっとメキシコのスポンサーの支援を受けてきたことは誰もが知っていることだと思う」
「だから、チェコと契約するときには2つの契約を結ばなくてはならないようなもので、そこに難しさがあるんだ」
「我々とチェコは完全に合意できている。だが、同時に彼の支援者たちにも対応する必要があるのさ」
■すべてが確定するまでチャンスを探るウェーレイン
昨年もスポンサーとの関係でフォース・インディアとの契約延長手続きに時間を要した経緯があるペレスだが、最終的に当事者たちが完全に合意に至るまでは、本当にペレスが来季もフォース・インディアで走ることが確定しているわけではない。
そこにチャンスを見いだしたいと思っているのが、前述のウェーレインだろう。
メルセデスAMGの非常勤会長を務めるニキ・ラウダは『Speedweek(スピードウィーク)』に次のように語った。
「我々も(ウェーレインの)チャンスを探しているところだ」
「状況は毎日変わっているよ。例えばトロロッソが違うエンジン(ホンダ)を搭載することになるのか、あるいはフォース・インディアでどういうことが起きているのかなど、誰にも分からないからね」
現役時代にはひん死の重傷を負いながらも3度F1チャンピオンとなった伝説的元F1ドライバーでもあるラウダは、次のように付け加えた。
「だから、今のところまだあらゆる可能性が残されているよ」