フェラーリのキミ・ライコネンが、現在自分が置かれた状況について語った。
■2017年はフェラーリとメルセデスによる2強の争いに
F1に現行パワーユニットが導入された2014年以降、メルセデスAMGが3年連続で絶対的な強さを発揮し、ドライバーズとコンストラクターズの両タイトル3連覇を達成してきた。
だが、今季はそのメルセデスAMGの前にイタリアの名門F1チームであるフェラーリが立ちはだかっている。前半戦を終えた時点で、コンストラクターズランキングこそメルセデスAMGが39ポイント差でリードしているものの、ドライバーズランキングに関してはセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)に14ポイントの差をつけてトップに立っている。
通算5回目のタイトルを狙うベッテルと、通算4回目のタイトル獲得を目指すハミルトンはいずれも今季ここまでは4勝ずつで並んでおり、シーズン後半にもこの2人による激しいタイトル争いが繰り広げられることになりそうだ。
だが、今季ニコ・ロズベルグに代わってハミルトンのチームメートとなったバルテリ・ボッタスも今季すでに2勝をあげており、ポイントでもトップのベッテルと33ポイント差、2番手のハミルトンには19ポイント差と十分にタイトルを狙える位置につけている。
■2強チームで唯一タイトルレースに乗り遅れたライコネン
しかし、フェラーリとメルセデスAMGという2強チームにあって、唯一タイトルレースに乗り遅れてしまっているのがライコネンだ。
ライコネンは現在までに116ポイントを稼いでいるが、すでに202ポイントに到達しているベッテルからは86ポイントも離されており、ランキングもレッドブルのダニエル・リカルドに次ぐ5番手となっている。
■速さはあるがいろんなことが起きてしまう
ライコネンはこうした現状について『Motorsport.com』に次のように語っている。
「個人的には、この結果には満足できていないよ」
「僕はレースで勝ちたいと思っているし、常にそういう位置にいたいと思っている。だけど今年は何度もそうした状況にはならなかった」
「うまくいっていると思ってもすごくいろんなことが起きてしまい、その代償を払わされてしまったんだ。ドライビングに関して言えば、僕にはスピードがあるからそのことは心配していないよ。重要なのはすべてを正しくまとめあげることだ」
■チームはベッテル優先?
2007年にフェラーリでF1チャンピオンとなったライコネンだが、優勝からはロータス時代の2013年開幕戦オーストラリアGP以来遠ざかっている。
だが今季の第6戦モナコGPでは2008年のフランスGP以来となるポールポジションを獲得し、優勝のチャンスが大きく広がった。ところが決勝ではピット戦略でベッテルに逆転されて2位に終わっている。このときチームがとった作戦に対し、ライコネンがレース後に強く不満を訴えたという経緯もあった。
さらに、ライコネンは夏休み前最後のレースとなったF1ハンガリーGP決勝をベッテルに次ぐ2番手でスタート。だがその後トップを走るベッテルのクルマにトラブルが発生しペースが上がらなくなったものの、チームはランキングトップのベッテルにトップをキープさせる作戦をとり、ライコネンはそのまま2位でゴールしている。
■最終的にはチーム次第
「ここまでの順位に関しては満足できているわけじゃない。だけど、それが結果だし、それを変えることはできないからね」
そう語ったライコネンは、次のように続けた。
「チームは僕が何を望んでいるのか知っている。だけど、最終的にはチームにとって何がベストなのかを選択するのは彼らだからね」
「うまくいかないときには面白くないものさ。だけどそれが現実なんだ」
「多くのことが関係してくるんだ。速さはあるよ。だけど、もし速さがあったとしても、そのほかのことが望んだようにうまく運ばなければ十分ではないってことさ」
ライコネンはフェラーリと1年契約を結んでいるが、うわさではフェラーリは来季もベッテルとライコネンのドライバーラインアップを継続する方向だと言われている。
今年の10月には38回目の誕生日を迎える現役最年長F1ドライバーのライコネンが、シーズン後半にどういう走りを見せるかにも注目が集まりそうだ。