かつてフェラーリのチーム代表を務めていたステファノ・ドメニカリが、今シーズンのF1は最後までタイトル争いが続く可能性があると語った。
イタリア出身のドメニカリは大学卒業後にフェラーリに就職。その後F1チームの管理に携わるようになり、2008年からジャン・トッド(現FIA会長)の後をついでチーム代表の座についた。だが、不振の責任を問われて2014年の第3戦バーレーンGP後に事実上更迭され、フェラーリを去っていた。
■ランボルギーニがフォーミュラEを目指すことはない
長くフェラーリ一筋で歩んできていたドメニカリだが、現在はフォルクスワーゲン傘下にあるランボルギーニのCEO(最高経営責任者)を務めている。
今週、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーが、将来的にF1に参入する可能性がある自動車メーカーとしてランボルギーニの名前を挙げたことが報じられた。ドメニカリはF1参戦の可能性に言及することはなかったが、ランボルギーニとしてはフォーミュラEを目指す予定はないと認めている。
「我々は現在のテクノロジーを優先している」
イタリアの『Autosprint(オートスプリント)』誌にそう述べたドメニカリは、次のように付け加えた。
「私は、短期的にはスーパースポーツカーのブランドはどこもこういうステップを踏むとは思っていないし、特に我々はそうだ。フォーミュラEは多くの自動車メーカーにとって魅力のあるものだろうが、私は伝統的なモータースポーツにとってはそれほどの価値があるものだとは思わないよ」
■今季のF1がイタリアが歓喜する結果で終わって欲しい
また、ドメニカリはかつて自分が所属していたフェラーリが今年活躍しているのを目にするのはうれしいものだと次のように語っている。
「これまでよりもずっと面白いシーズンになっていると思うよ。誰が勝つのかまったく分からないし、最終戦までもつれる可能性もあるだろうね」
「そして、イタリア人としては、わが国でのフェラーリへの大きな情熱に報いることができるような結果に終わって欲しいものだと切実に願っているよ」
■ヘイロー導入は正しい。見た目の問題などすぐに忘れられる
さらに、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)が2018年からF1カーにコックピット保護装置「ヘイロー」の装着義務化を決定したことについて質問されたドメニカリは、次のように答えた。
「FIAが安全を優先するのは正しいことだよ」
「私は多くの改革が大衆から批判的な反応を受けてきたことを覚えている。だが、その有益性については誰も疑問をはさむことはできないと思っている。見た目の問題なんてすぐに忘れられてしまうよ」
現在ドメニカリはランボルギーニの経営に携わる一方で、FIAのシングルシーター委員長も務めている。