F1が2018年からの導入を定めたコックピット保護システムの「ヘイロー(HALO)」だが、これに関してはファンやF1関係者の中にも導入に反対の意見を持つ者が多い。
■ヘイロー導入はF1の魅力を損ねるとヒュルケンベルグ
例えば、ルノーのニコ・ヒュルケンベルグなどもそのひとりだ。
「もちろん、安全に関する議論を拒絶することはできない」
母国ドイツのテレビ局『Sport1(シュポルト1)』のサイトに設けられたコラムにそうつづったヒュルケンベルグは、次のように続けている。
「だが、F1を今よりも安全にしなくてはならないのだろうか? 自動車レースに少しでも危険があってはいけないのだろうか? それ(危険性)もドライバーやファンにとっては魅力のひとつではないだろうか?」
ともあれ、ヘイローに関しては主にその見た目の問題に加え、ドライバーの視野が狭くなってしまうというような批判的意見もある。
■視界に問題はなかったとメルセデス若手ドライバー
だが、今週ハンガロリンクで行われたF1公式シーズン内テスト2日目にメルセデスAMGの若手ドライバーであるジョージ・ラッセルがテストした改良型ヘイローは、これまでにテストされたものよりも厚みが減らされていたことが明らかとなった。
FIA(F1統括団体である国際自動車連盟)の技術責任者を務めるローラン・メキーは、次のように語った。
「現時点では中央の支柱は厚さが2cmとなっている。だが、もっとドライバーの視界を改善できる余地があると我々は考えている」
「今後もテストを継続し、厚さを16mmにまで減らしていくつもりだ。このシステムを限界まで突き詰めていくことになる」
ハンガロリンクで改良版ヘイローを初体験した19歳のラッセルは、次のように語った。
「驚いたことに、ヘイローによって視界が制限されるようなことはまったくなかったよ」