メルセデスAMGのバルテリ・ボッタスが、今年のF1ドライバーズタイトル獲得を目指していくと宣言した。
■話題となったハンガリーでのチームオーダー
先週末に行われたF1ハンガリーGP決勝後に大きな話題となったことのひとつが、レース途中でチームオーダーによりボッタスの前に出ていたチームメートのルイス・ハミルトンが、ゴール寸前で再びボッタスを先行させ3位を譲ったことだった。
レース中盤以降ハミルトンのペースのほうがボッタスよりも速いと見たチームは、ドライバーズランキングトップのベッテルに1ポイント差と詰め寄っていたハミルトンを前に出させ、フェラーリに戦いをいどませようとした。
ところが、結局ハミルトンは2台のフェラーリを追い抜くことはできなかった。しかし、もしそのまま自分が3位でチェッカーを受ければ、ベッテルとの差も11ポイントにとどめることができていたはずだ。
■ボッタスもチャンピオン候補に浮上
ボッタスに順位を譲ったことでさらに3ポイントを失うことになったハミルトンとベッテルの差はこれで14ポイントに開いてしまっている。しかも、3位表彰台を手にしたボッタスとハミルトンとのポイント差は19ポイントに縮まっている。
今季ここまでの11戦でベッテルとハミルトンが同じ4勝ずつをあげているが、ボッタスもすでにロシアとオーストリアで2勝をあげている。つまりボッタスも勝てるドライバーであることは確かであり、ベッテルやハミルトンにとっても要注意ドライバー筆頭に位置してきたのは確かだろう。
もし最終的にボッタスがハミルトンやベッテルを逆転してタイトルを手にするようなことになれば、特にハミルトンはハンガリーで順位を譲ったことを後悔の念とともに思い出すことになるかもしれない。
■ハミルトンの引き立て役で終わるつもりはない
だが、ハンガリーGP決勝で最後にハミルトンから順位を譲られたボッタスはドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』に次のように語った。
「表彰台がかかっていただけに、チームメートなら誰でもそうしたというわけじゃないと思うよ。だけどその一方で、もしルイスがあの約束を受け入れなければ、僕は怒りを感じていただろうね」
「チームは最初からはっきりと僕たちはどちらも公平に処遇されるし平等に扱われると約束していたんだからね」
「僕たちには同じものが与えられるし、ナンバー1やナンバー2といった区別はないんだ。今回もそうだと僕は信頼していたよ。僕はF1タイトルをとるために戦っているんだし、それが僕自身のキャリアにとっても重要なことなんだ」
そう語った27歳のボッタスは次のように付け加えた。
「僕はルイスの陰に隠れたりするつもりはないよ」
■ハミルトンとベッテルに勝つ自信あり
さらに、今年自分がF1チャンピオンになれる可能性があると思うかと尋ねられたボッタスは、「ああ、僕はF1チャンピオンになれるよ」と答え、次のように続けた。
「まだ9レースも残っているし、僕はルイスやセバスチャンを倒せると信じている。今年すでに2回それを達成しているしね」
「僕はどんどん強くなっている。僕には限界なんてないんだ」
「僕はライバルたちの中のひとりが僕よりも強いなんて絶対に言うつもりはないよ。僕は自分自身を信じているんだ」
■契約問題について不安はない
とは言え、ボッタスとメルセデスAMGとの現在の契約は今年1年だけのものとなっており、まだ来季の契約延長を勝ち取ったわけではない。
そのことについて質問を受けたボッタスは次のように答えた。
「僕にとってはこれまで(ウィリアムズ時代)も毎年そうだったんだ」
「1年のこの時期にはまだ自分がどうなるのか分かっていないことだってあった。だからこれに関しては僕はかなりの訓練を積んできているよ」
ほほ笑みを浮かべながらそう語ったボッタスは、次のように付け加えた。
「それに、問題はないよ。僕はこのチームの居心地がいいと感じているし、受け取っているのは前向きなフィードバックだけだよ。だから、僕はあまり心配はしていないよ」