ドイツの『Bild(ビルト)』紙が、ドイツ人ドライバーのパスカル・ウェーレイン(ザウバー)が今季限りでF1シートを失う可能性が高いと報じている。
メルセデス所属ドライバーのウェーレインは、2015年にDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)で最年少チャンピオンに輝くと、翌2016年にメルセデスパワーユニットを搭載するマノーからF1デビューを飾っていた。
だが、経営はたん状態に陥ったマノーが解散してしまったため、今年はメルセデスの支援を受けてマノーに移籍を果たしていた。
だが、現在チームメートを務めるマーカス・エリクソンはザウバーの現オーナーとの関係も深く、来季もシートを確保するのは確実だと見られている。
その一方でホンダとの契約を白紙に戻し、来季以降もフェラーリからパワーユニット供給を受けることになったザウバーでは、フェラーリ所属のアントニオ・ジョビナッツィ(控えドライバー)、あるいは今季のF2タイトル獲得がほぼ間違いないだろうと考えられているシャルル・ルクレール(フェラーリアカデミードライバー/ハース開発ドライバー)のいずれかを2018年にドライバーとして受け入れることになると見られている。
2016年シーズン後に突如引退を発表したニコ・ロズベルグの後任として今季メルセデスAMGへ昇格する可能性も示唆されたことがあったウェーレインだが、来季もメルセデスAMGはルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスのペアを維持する可能性が高いと考えられている。
つまり、現状では2018年にウェーレインが座るF1シートは見当たらない状況となっているのだ。
ウェーレインはそうした状況について、ドイツの『Bild(ビルト)』に次のように語った。
「僕は(ザウバーの)5ポイントすべてを稼ぎだしたし、予選ではエリクソンに対して8勝2敗(正しくは7勝2敗)の成績を残している。これ以上僕に何ができるって言うんだい?」
今シーズンは、シーズン前に参戦したROC(レース・オブ・チャンピオンズ)中のクラッシュで負ったけがにより開幕2レースを欠場するという不運なスタートを切ったウェーレインだが、このまま何かのいい運のめぐり合わせが起きない限り、来季はその姿がF1グリッド上では見られなくなってしまうかもしれない。
『Bild(ビルト)』やスイスの『Blick(ブリック)』は、ウェーレインが2018年にはかつてタイトルをとったDTMに復帰する可能性も示唆している。だが、2018年限りでメルセデスがDTMから撤退することが決定していることもあり、ウェーレインの将来を考えれば、2019年からメルセデスやポルシェが参戦を予定しているフォーミュラEのシート獲得を目指すのが最善の策かもしれないと考えられているようだ。