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顧客チームに対するフェラーリの影響力を懸念するミナルディ

2017年07月27日(木)5:14 am

かつてミナルディを率いてF1参戦を行っていたジャンカルロ・ミナルディは、フェラーリはパワーユニットを供給している顧客チームとの関係をうまくリードできていないのかもしれないと考えている。

■事実上フェラーリのBチームだと考えられていたハース

2016年からF1参戦を開始したアメリカンチームのハースだが、参戦開始に向けてフェラーリとの間に技術提携契約を結ぶことで準備を進めてきたという経緯がある。

そうした背景を踏まえ、ハースは実質的にはフェラーリの「Bチーム」だと考えている者もいる。

実際のところ、フェラーリのハースに対する影響力はかなり大きいと考えられていた。今年フェラーリの控えドライバーを務めるアントニオ・ジョビナッツィが今週末に行われるF1ハンガリーGPを含め、7レースで金曜フリー走行1回目を担当することになっており、これは来季ジョビナッツィがハースのシートを得るためのステップだと受け止めていた者も多いはずだ。

■ジョビナッツィの来季シート獲得に暗雲

ところが、ハースのオーナーであるジーン・ハースは、来季もロマン・グロージャンとケビン・マグヌッセンによるドライバーラインアップを継続すると発表。そうなればジョビナッツィが2018年にハースのシートを得る可能性は消えることになる。

さらに、ジョビナッツィは今季の開幕2レースに負傷欠場となったパスカル・ウェーレインに代わって、やはりフェラーリパワーユニットを搭載するザウバーからレースに出走したという経緯もあった。

だが、そのザウバーは、いくぶん雲行きが怪しくなっては来ているものの来季はホンダパワーユニットを搭載することになっている。さらに、ホンダの支援を受ける日本人ドライバー松下信治が来週ハンガロリンクで開催されるシーズン内公式テストでザウバーのステアリングを握ることが決定しており、ジョビナッツィがザウバーのシートを狙うのもかなり難しい状況となってきている。

■それが事実ならフェラーリのドライバープログラムは敗北

イタリア人のミナルディは以前からジョビナッツィのF1デビューを期待するコメントを行っていたが、今回ハースが来季も現在のドライバーラインアップを継続すると発表したことについて質問を受けると次のように答えた。

「もしそれが本当ならば、フェラーリにとっては機会損失ということになるね」

「私はまだ楽観的に考えているし、今回のことは今かなりうまくやれているチーム内部の平静を保ち、シーズン後半にできるだけ多くのポイントを稼ぐという目標を達成するための動きだと思いたいね」

そう語ったミナルディは、仮にジョビナッツィが来季ハースのシートを獲得することができなければ「それは若手ドライバーに関するフェラーリのシステム全体が敗北することを意味するだろう」と語り、次のように付け加えた。

「そうなれば、フェラーリのドライバーは何の保護も受けられないことが明白になってしまう。フェラーリはもはや顧客チームの意思決定に対する影響力をまったく持たないということになるだろう。だが、とりあえず私としては今のところそういうシナリオは考えたくないね」

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