レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーが、今季F1タイトルを獲得できる可能性は事実上なくなったとのコメントを行った。
大きなレギュレーション変更が行われた今季のF1だが、開幕前にはレッドブルがメルセデスAMGにとって最大のライバルとなるだろうと予想されていた。
ところが、実際にふたを開けてみれば、その位置につけたのはフェラーリで、レッドブルはフェラーリとメルセデスAMGに明らかな差をつけられて3番手チームの位置に甘んじることとなっている。
■もうタイトルのことは考えないとフェルスタッペン
特に、今年はF1チャンピオン争いにからんでくるのではないかと期待されていた19歳のマックス・フェルスタッペンは、今季ここまでの9レースのうち5レースで不運なリタイアを喫するという状況となっており、ここまでに獲得できたポイントも45にとどまっている。
9戦を終えた時点でランキングトップのセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)との差が126ポイントにまで開いてしまったフェルスタッペンは、先週末のオーストリアGP決勝を1周もできずに終わったのち、次のように語っていた。
「僕はもうF1タイトルのことを考えたりはしないよ。ひとつひとつのレースをいいものにしたいと思うだけさ」
■目指すのはシーズン後半の競争力アップ
フェルスタッペンのこの発言を受けて、ホーナーも次のように語った。
「我々にとって、タイトルのことは考えても仕方がないことだと思う。我々は中間的な位置にいる」
「今我々が懸命に目指しているのは、特にバルセロナ(第5戦スペインGP)以降に我々が示した進歩をベースとしてこれを発展させ、シーズン後半には前半よりもさらに競争力を高めていくことだ」
■4年連続チャンピオンが今年で4年連続無冠に
今季のレッドブルは、フェルスタッペンの方にマシントラブルやレース中の不運なクラッシュなどが集中しているが、チームメートのダニエル・リカルドはこのところ5レース連続で表彰台に上っており、第8戦アゼルバイジャンGPでは波乱の展開となったレースでうまくチャンスをつかんで今季初優勝も遂げている。
現時点でフェルスタッペンの倍以上となる107ポイントを稼いでいるリカルドだが、それでもすでにトップのベッテルとの差は64ポイントに開いている。現在の3強チームの力量を考えれば、リカルドがタイトル争いに加わるのも現実的には非常に厳しい状況だ。
セバスチャン・ベッテル(現フェラーリ)を擁して2010年から2013年まで4年連続でF1タイトルを獲得したレッドブルだが、その後の4年間を無冠で終えるのはほぼ確実だ。