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ベッテル反省でペナルティー回避「過剰な反応だった」

2017年07月04日(火)15:18 pm

F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は3日(月)、F1アゼルバイジャンGP決勝中に起きたセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)とルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)のクラッシュに関する諮問会を開催。そして審議の結果、ベッテルに対してさらに厳しいペナルティーを科さないことが確定した。

■反省を示したベッテルに追加処分なし

これは、ベッテルがハミルトンのクルマに自分のクルマをぶつけたことに対し、非が全面的に自分にあることを認め、FIAに対して陳謝するとともに反省の姿勢を見せたことによるものだ。

バクーで行われた今季のF1第8戦アゼルバイジャンGP決勝で、セーフティカー先導中にハミルトンのクルマに追突してしまったベッテルは、ハミルトンが意図的に急減速して自分を挑発したものだと受け止めていた。その後ハミルトンのクルマの横に出て抗議の態度を示しながら自分のクルマをハミルトンのクルマにぶつけていた。

その後、F1競技委員たちはベッテルに10秒間のストップ・アンド・ゴーをペナルティーとして科すとともに、3ペナルティーポイントを与えていたが、FIAのジャン・トッド会長は、それでは不十分であると考え、上記の通りさらなる処罰を与える必要があるのではないかということを審議する聴聞会を3日に開催していた。

うわさでは、ベッテルに対して1レースの出走禁止といった厳しい処分が言い渡される可能性もあると言われていた。だが、ベッテルがその聴聞会で自分の非を認め、FIAに陳謝したことから、ベッテルに対し若手フォーミュラカードライバーに対する教育に関するボランティア活動に従事するといった条件を付与した上で今回はこれ以上の処分を行わないことに決定したものだ。

■ベッテル「ハミルトンとファンに直接謝りたい」

ベッテルは自分の公式ウエブサイト上に、今回の事故に関して次のような声明を掲載している。

「リスタートの周回において、僕はルイスに驚かされ、彼のクルマの後部に突っ込んでしまった。後から思えば、あの時彼が悪意を持っていたとは考えられない。あの時は戦いの真っただ中であり、僕は過剰に反応してしまった。このことについて、僕はルイスに直接謝りたいと思っているし、あのレースを見ていたすべての人たちに陳謝したい。僕のやったことはよい見本ではなかったと認識している」

「僕にはルイスを危険な目に合わせようという意図はまったくなかったものの、僕が危険な状況を引き起こしていたことは理解している。これに関してはFIAにも陳謝したい。僕は、バクーで競技委員から科せられたペナルティー同様、今日パリで行われた会議での決定事項を尊重し、これを受け入れる」

「僕はこのスポーツを愛しているし、若い世代に対する手本となれるよう努めていく決意をしている」

■ヒーローは模範でなくてはならない

今回の裁定に関し、FIA会長のトッドは次のように語っている。

「トップレベルのスポーツは緊迫した環境に置かれるし、感情が爆発することもあるものだ。しかしながら、そうしたプレッシャーに冷静に対応し、単に規則に準ずるだけでなく彼らの位置にふさわしい態度を示すことがトップレベルのスポーツマンに課せられた役割だ」

「スポーツマンは、自分たちの行為が自分たちを尊敬している者たちに対してどういう影響を及ぼすかということをよく頭に入れておかなくてはならない。彼らは何百万人にも及ぶ世界中のファンにとってヒーローであり、模範となるべき存在であるから、それに応じた振る舞いを心がけなくてはならないのだ」

ともあれ、アゼルバイジャンGPでのベッテルとハミルトンのクラッシュに関しては、これで一件落着となったわけだが、仮に今後ベッテルがF1の品位をおとしめるようなことを行った場合には、その時にはさらに厳しい処分が行われることになるだろうとFIAは付け加えている。

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