マクラーレンの新人ストフェル・バンドーンに対する逆風が強まっている。
ベルギー人のバンドーン(25歳)は、次世代のチャンピオン候補との期待を背負って、今年からF1にフル参戦している。しかし、チームメートのフェルナンド・アロンソに対してまったく歯が立たない状況だ。
チーム代表のエリック・ブーリエは、『El Pais(パイス)』紙に次のように語った。
「下のカテゴリーでは、誰もが同じクルマだから、それに適応したら、スタイルを変えることはない」
「しかし、F1では常に新しいパーツがあり、それによってクルマの性格がまったく変わる」
■ルイス・ハミルトンとは違った
『El Pais(パイス)』紙によると、ある匿名のチーム関係者が、バンドーンについて次のように批判的なコメントをしたという。
「現状が足を引っ張っているのは確かだが、一番の問題は、ストフェルがルイス・ハミルトンとは違ったということだ。マクラーレンは同等だろうと思っていたのだが」
「彼は優秀だが、スターじゃない。バルセロナのように、あれほど周回を重ねているサーキットで、チームメートにあんなに後れを取るなど、あり得ないことだ」
「確かに、ハミルトンは2007年のデビュー前にテストをたくさん行い、バンドーンは行っていない。だが、それはフェルスタッペンも同じだ」
■「がっかり」とビルヌーブ
1997年のF1チャンピオンであるジャック・ビルヌーブは、バンドーンについて「がっかり」だと『Het Laatste Nieuws』に話している。
「彼は一度もアロンソに対抗できていない。アロンソを倒さない限り、素晴らしいとは言えないし、十分に優秀だとさえ言えないね」
「私はデビューした1996年から、評価の確立していたデーモン・ヒルを倒し始めたよ。私は最初のグランプリで、ウィリアムズをポールポジションに付けた」
「F1では基準を高く設定しなければいけないんだ」
■まだ証拠不十分
一方、元F1ドライバーでテレビで解説を務めるマーティン・ブランドルは、少し違う意見だ。
「証拠不十分として善意に解釈してやるべきだ。あの年齢で、突然勝ち方を忘れるはずはない。彼はほかのすべてのカテゴリーで勝ってきたじゃないか」
「いいクルマがないんだから、いま批判するのはフェアじゃない。私はストフェルを信じ続けるし、きっとマクラーレンもそうするはずだ」