F1パワーユニットのパフォーマンスと信頼性の問題に苦しめられているホンダが現状についての説明を行った。
今年で3年目を迎えるマクラーレンとホンダの共同プロジェクトだが、忍耐の限度に達したマクラーレンはまだ契約が残っている段階ではあるものの、ホンダとの関係解消に動くようだとのうわさが強くささやかれている。
■もうマクラーレンの腹は決まっているようだとガスコイン
かつてルノーやトヨタで技術責任者を務めていたマイク・ガスコインはイギリスのテレビ局『Sky(スカイ)』に次のように語った。
「(マクラーレンの)言葉使いが変わってしまった」
「すでに決断は下されているように聞こえるね」
そして、マクラーレンがすでにホンダとの契約を解消することを決めたのだとすれば、本来先週末にモントリオールで行われたF1カナダGPで投入される計画となっていた改良型パワーユニット投入が実現されなかったことが最終判断を下す最大の要素となったのだと考えられているようだ。
■テスト結果と現実が一致しないホンダ
そんな中、ホンダF1プロジェクト責任者の長谷川祐介は、現状についてオーストリアの『Osterreich(エステルライヒ)』に次のように語っている。
「テストベンチ(ファクトリーでのテスト)において正しいコンディションにすることができていないのです」
「どうしてテストベンチとサーキットにおいて違いが生じてしまうのか、これからその理由をつきとめる必要があります」
■ほかのシリーズへの転向も示唆するアロンソ
一方、マクラーレンが契約中途にもかかわらずホンダを見限り、メルセデスからパワーユニット購入に動こうとしているのは不満を募らせているフェルナンド・アロンソをなんとか引き留めたいと思っていることの表れでもあると考えている者もいる。
自身通算3度目のF1ドライバーズタイトル獲得を目標にかかげているアロンソだが、2018年にタイトル争いができるチームに移籍できるチャンスはあまり大きくないと考えられている。このため、最近ではアロンソは今季限りでF1を去り、来年はインディカーにフル参戦する可能性もあるのではないかとさえうわさされている。
この件について尋ねられたアロンソは、次のように主張した。
「何度も言ってきたように、3回目のF1タイトルを取ることが一番の優先事項だよ」
「これまで16年間F1で走って腕を磨いてきた。だから僕がまだ(F1で)走ることができれば、それがベストであることに違いはないよ」
そう語ったアロンソは、次のように付け加えた。
「もし僕がここ(F1)で成功することができず、3度目のF1タイトルが取れないのであれば、それでも僕はモーターレーシングを愛しているし、どんなシリーズであろうとレースは続けるよ」