伝説的元F1ドライバーのニキ・ラウダが、ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が今季のF1ドライバーズタイトルを獲得するチャンスもまだ大いにあると主張した。
先週末のF1カナダGPを迎える前には、現在ランキングトップのセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)とハミルトンには25ポイントの差がついていた。だが、カナダGPでハミルトンが優勝し、ベッテルが4位に終わったことで両者のポイント差は12ポイントにまで縮まっている。
■ハミルトンとベッテルのタイトル争い長期化を予想するラウダ
現在メルセデスAMGの非常勤会長を務めるラウダは、カナダGPが行われる前には、ハミルトンが今季のタイトルを獲得するためにはベッテルがリタイアするようなことでもなければ難しいだろうと語っていた。
母国オーストリアの『Osterreich(エステルライヒ)』紙から、今でもそう考えているかと質問されたラウダは、次のように答えた。
「いや、あれは大げさに言ったんだよ」
「タイトル争いはまだ先が長い。ハミルトンとベッテルの戦いが最後まで緊迫した状態で続くことを期待しているよ」
そう述べたラウダは、カナダGP決勝を振り返りながら次のように続けた。
「セバスチャンには不運だったね。だが、ルイスは最初からレースを支配したし、我々のクルマは最高だったよ」
■今後に自信を見せるハミルトンとベッテル
第6戦モナコGPでは不運もあって予選14番手に沈み、決勝でも7位までばん回するのがやっとだったハミルトンだが、得意にしているカナダの決勝では久々にライバルたちをよせつけない強さでトップチェッカーを受けている。
そのハミルトンは、カナダGP決勝後に次のように語った。
「モナコで抱えた問題を修正するためにファクトリーのみんなが懸命に取り組んでくれ、それをここに持ち込み、フェラーリに見せつけたんだ」
一方、カナダGP決勝を2番グリッドからスタートしながら、序盤にフロントウイングにダメージを負ったことから一時は最後尾に下がり、そこから4位にまでばん回してみせたベッテルはバクー市街地コースで開催される次戦アゼルバイジャンGP(25日決勝)に向けて次のように語っている。
「バクーに向けて心配などしていないよ。僕たちにはここ(カナダ)でももっといい結果を残す力はあったんだからね」