今季のF1第7戦カナダGPでもノーポイントに終わったマクラーレン・ホンダだが、マクラーレンとホンダの決別も時間の問題だとのうわさが強くささやかれている。
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そして、マクラーレンは2018年からはメルセデスパワーユニットを搭載すべく、現在メルセデスとの間で交渉を進めているようだとも伝えられている。
■ホンダのためにコメントは控えたいとヴォルフ
こうしたうわさについて質問されたメルセデスのモータースポーツ責任者トト・ヴォルフは、ドイツの『Bild(ビルト)』に次のように答えた。
「現時点では、私はこうしたうわさや議論に加わりたくはないんだ」
「そうすればホンダに悪影響を及ぼしてしまうだろうからね」
■今シーズン中途でのエンジン変更も?
しかし、うわさの中にはマクラーレンが近いうちにホンダとの決別を決めるのは間違いなく、早ければ今季途中からメルセデスパワーユニットに変更する可能性すらあるだろうというものもある。
これに関し、ある匿名のF1エンジン専門家は次のように語ったという。
「どんなF1カーでも最低3か月あれば新しいパワーユニットを搭載するのは可能だ」
■ホンダの遅さは危険レベルだとアロンソ
ともあれ、ホンダパワーユニットの信頼性不足とパフォーマンス不足に対し、マクラーレンが我慢の限界に来ていることは誰の目にも明らかだ。
カナダGP決勝でもポイント圏内を走行しながら、残りあと3周となったところでエンジントラブルによるリタイアを余儀なくされたフェルナンド・アロンソは次のようにホンダパワーユニットの非力さを嘆いている。
「ストレートでのほかのクルマとのスピード差は、ここではもはや危険なレベルだよ」
「ほかのクルマが追い抜いていくとき、自分はまるで高速道路で立ち止まっているような感じなんだからね」
■次戦ではグリッド降格がほぼ確定
だが、アロンソの嘆きは次戦のアゼルバイジャンGP(25日決勝)でも続くことになる。
今回のエンジントラブルによってアロンソが次戦で新たなパワーユニットコンポーネントを投入することになるのは間違いなく、決勝ではかなりの確率で最後尾からのスタートとなってしまうためだ。
当初、カナダGPで投入される計画だった改良版パワーユニットも現時点ではその投入時期すら不透明な状況であり、マクラーレン・ホンダにとっては現在の状況から抜け出すための一筋の光明さえ見えていない状態だ。
■ホンダがF1プロジェクトの見直しも?
こうした状況のもと、F1での不振に同じく忍耐の限界に到達したホンダの取締役会が現在のF1プロジェクトの在り方を見直すのではないかとのうわさもささやかれるようになっている。
この件について質問されたホンダF1プロジェクト責任者の長谷川祐介は、次のように答えた。
「もちろん、彼ら(ホンダ取締役会)は今の状況に満足していません。しかし、彼らはこのプロジェクトを長期的に展開していくことを約束しています」
しかし、現状を見れば、少なくともプロジェクト責任者の長谷川が更迭される可能性もあるだろうと考えられている。
「我々は改善しようと取り組んでいます。そして誰かほかに私よりもうまくやれる者もいるでしょう」
そう語った長谷川は次のように付け加えた。
「当面の間、私はベストを尽くしていくだけです」