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今のF1タイヤの状況は「イタリアの謎」だとメルセデスのボス

2017年06月05日(月)19:11 pm

2014年から3年連続で無敵の強さを誇ってきたメルセデスAMGだが、大幅なレギュレーション変更が行われた今季は状況が一変。現時点ではドライバーズランキング、コンストラクターズランキングともにフェラーリが首位に立っている。

特にドライバーズランキングのトップにいるセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)はすでにランキング2番手のルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)に25ポイントもの差をつけている。

メルセデスAMGの非常勤会長を務めるニキ・ラウダも『Osterreich(エステルライヒ)』紙に「25ポイントのリードを奪ったベッテルが現時点では間違いなくF1チャンピオン候補だよ」と認めるしかない状態だ。

■ピレリが同じイタリアのフェラーリに有利なタイヤを開発?

だが、なぜ今季のフェラーリはこれほど強くなったのだろうか?

ひとつの説は、今季から導入されたワイドタイヤが2017年型フェラーリに合うように設計されているのではないかというものだ。

F1用タイヤは最もその能力を発揮できる温度などの範囲があり、これを一般にウインドウと呼ぶが、F1公式タイヤサプライヤーであるピレリが製造した今季用タイヤはそのウインドウが小さく、それによってフェラーリ以外のチームが苦戦していると言われている。裏を返せば、ピレリが意図的にフェラーリに有利となるタイヤを製造しているのではないかとメルセデスAMGでは疑っているわけだ。

エグゼクティブディレクターとしてメルセデスAMGを率いるトト・ヴォルフは、フェラーリとピレリがともにイタリアの企業であることに何かヒントが隠されているのではないかと、次のように語っている。

「なぜフェラーリはうまくやれているのに我々はそうではないのか。これは恐らくイタリアの謎だろうね」

■真剣にテスト機会を利用したかどうかの差だとピレリ

だが、ピレリの最高経営責任者であるマルコ・トロンケッティ-プロベラは、同じイタリアだからといって意図的にフェラーリに有利なタイヤを設計したわけではないと否定し、次のように説明している。

「これはトップ3チームの真剣さの問題だ。彼らが古いクルマで幅広タイヤをどういうふうにテストしてきたかということだよ」

「メルセデスAMGはパスカル・ウェーレイン(現ザウバー/メルセデスAMG控えドライバー)にテストを任せた。一方、フェラーリでその責任を負ったのはセバスチャン・ベッテルだった」

そう語ったトロンケッティ-プロベラは、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』にも次のように語っている。

「セバスチャンはさらに我々のミラノのファクトリーを何度も訪れてエンジニアたちと彼が(テストタイヤから得た)印象について話し合いをしていたよ」

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