ウィリアムズのベテランドライバーであるフェリペ・マッサが、今季F1デビューを飾った18歳の新人ランス・ストロールが間もなく最も過酷な試練と直面することになるだろうと語った。
F1デビュー後ここまでに5戦を経験してきたストロールだが、ここまでのところは36歳のマッサの走りに遠く及ばない状況が続いている。もちろんまだ1ポイントも獲得することができていない。
■モナコほど過酷なレースはない
マッサは、そのストロールにとって、次戦F1モナコGP(28日決勝)では最も過酷な挑戦を強いられることになるだろうと『Le Journal de Montreal(ジュルナル・ド・モントレアル)』に次のように語った。
「モナコは、恐らくすべてのサーキットの中でも最も大変なものだと思う。経験があるドライバーですら、あそこでは問題を抱えてしまうからね」
「非常に速く壁が目の前に迫ってくる。そして今年のクルマは(昨年までよりも)幅が広くなっているものの、コースはこれまで通り狭いままだからね」
「だから、モナコはランスにとって過酷なものとなるだろうね。あそこに匹敵するようなところなどないよ」
「だけど、もちろん僕は彼の手助けをするつもりだよ。モナコではセットアップが非常に重要だから、それを彼にも教えることになる。どこでどのようにブレーキングを行うかということも習得すべき技術だ」
■1年目にはクラッシュでモナコを終えていたマッサ
そう語ったマッサは、自分がF1カーで初めてモナコを走った2002年のことを思い起こしながら次のように続けた。
「最初は誰でもそうだと思うけれど、僕も悲惨な状態だったよ。(予選で)13番手タイムは刻んだもののね」
「僕はずっと壁やほかのクルマにぶつからないように気を付けていたんだけど、僕のレースは突然(クラッシュして)終わりを迎えてしまったよ」
■「セナ2世」のフェルスタッペンもモナコではいまだ完走なし
マッサが言うように、新人ドライバーにとってモンテカルロ市街地コースで行われるモナコGPが非常に難しいレースであるのは間違いない。
アイルトン・セナの再来とまで言われているマックス・フェルスタッペン(レッドブル)でさえ、2015年のF1デビュー以降モナコでは2年連続でクラッシュによるリタイアを喫するという厳しい結果に終わってしまっている。
「あれは非常に多くのドライバーが経験したことのひとつの例でしかないよ」
そう語ったマッサは、次のように付け加えた。
「マックスだけじゃなく、多くのドライバーたちが攻め過ぎて壁にぶつかってしまうんだ。ベテランだってその例外ではないよ」
■ウィリアムズとモナコの相性も試練のひとつに
だが、ウィリアムズのルーキードライバーであるストロールにとってはモナコがさらに厳しいレースとなる可能性もある。それはウィリアムズのF1カーがあまりモンテカルロ市街地コースとの相性がよくないためだ。
「正直に言って、僕たちのチームにとっては常に厳しいものになってきている。その理由は聞かないで欲しいな。僕にも分からないんだから。僕にとってもミステリーなんだよ」
ともあれ、さまざまな状況を勘案すれば、モナコでの結果いかんではストロールの状況がさらに困難なものとなってしまう可能性もある。
「僕がやったことを繰り返すリスクを負ってでも、ランスは学び続けなくてはならないんだ。彼は難しい位置にいるけれど、僕もずっとそばに付いているよ」
マッサはそう語ると、次のように付け加えた。
「1年目の彼には多くのことが求められているし、期待も大きいんだ」