レッドブルでは、自分たちのホームグラウンドであるレッドブルリンクで開催される今季F1第9戦オーストリアGP(7月9日決勝)で再び大きな改良を施したシャシーを投入する計画のようだ。
バルセロナで開催された前戦スペインGPにも改良シャシーを持ち込んだレッドブルだったが、シーズン序盤よりもフェラーリやメルセデスAMGとの差を縮めたとはいえ、まだトップ争いができるほどの状態となっていないのは明らかだ。
■シミュレーションと現実の差が大きいレッドブル
チーム代表のクリスチャン・ホーナーは、現在のシャシーには風洞でのシミュレーション数値と実際にサーキット走行を行ったときの数値の相関関係に問題があると認めている。
ホーナーは、それについての分析を行った上で次の改善開発に臨むことになると『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語った。
「我々はどのツールが信頼でき、どれがそうではないのかということを調査しているところだ」
「幅が広くなったタイヤが、我々が想像していた以上に大きな影響を及ぼしているようだ」
■天才F1カーデザイナーが第一線に復帰
こうした事態を受け、最近の2年間はF1の第一線からはずれて競技用ヨットの設計などにシフトしていた最高技術責任者のエイドリアン・ニューイが再びレッドブルF1マシンの問題改善に取り組み始めている。
ホーナーは、スペインGPが行われたバルセロナにも姿を見せていたニューイの仕事について次のように語った。
「エイドリアンはクルマへの理解を深め、今後に向けての方針を決定するために、ドライバーたちからのフィードバックを得たいと望んでいたんだ」
■もうひとつの課題はルノーパワーユニットの信頼性
次戦モナコGP(28日決勝)には、それほど大がかりな開発を行ったパーツの投入は計画していないレッドブルだが、その次に行われる第7戦カナダGP(6月11日決勝)には、特別な低ダウンフォースパッケージを持ち込む計画をしているという。
そして、世界的飲料メーカーであるレッドブルが主催者を務めるオーストリアGPでは、さらに大きな改善が施された新型シャシーの投入を目指しており、そこからシーズン後半戦での巻き返しを図ることになる。
あるレッドブルのチームメンバーは、それまでには改良版ルノーパワーユニットも手にすることができることを期待していると次のように語っている。
「もし我々がフルパワーを出すことができれば、メルセデスAMGとフェラーリからそれほど離されてはいないはずだ。だが、信頼性の問題により、まだそうすることができないんだ」