母国で行われた今季のF1第5戦スペインGP決勝を終えたフェルナンド・アロンソ(マクラーレン・ホンダ)は、その足ですぐにアメリカへと旅立った。もちろん、F1モナコGPと同じ28日(日)に決勝が行われるインディ500のプラクティス走行に参加するためだ。
このため、今年のモナコGPではアロンソが走る姿が見られないという異例の事態となるが、これには賛否両論があるのも事実だ。
■アロンソのモナコ欠場は間違いだとマッサ
フェラーリ時代にアロンソのチームメートを務めていたフェリペ・マッサ(ウィリアムズ)は、次のように語っている。
「フェルナンドのことはすごく尊敬しているけれど、これは正しいことではないと思う」
「世界でも最も重要なカテゴリーでレースをしているのに、ほかのレースのためにモナコを欠場するなんてね。どの時代のF1チームのボスに尋ねても、みんなこれは間違いだと言うと思うよ」
だが、現在マクラーレンF1チームの最高責任者を務めるザック・ブラウンは、インディアナポリスへ向かうアロンソのためにプライベートジェットを用意し、チーム全体でアロンソをサポートする姿勢を見せている。
■ホンダが改善するまで転機はこない
スペインGPの予選では今季最上位の7番手となる快走を見せたアロンソだが、仮にこのままモナコに出場していたとしてもメルセデスAMG、フェラーリ、レッドブルと戦えるはずもなく、インディ500に勝つチャンスを求めたことに後悔はしていないとコメントしている。
そのアロンソは、予選で3強チームの次の位置を確保し、決勝では1周目の接触事故で順位を下げたものの、今季初めてチェッカーフラッグを受けることができたことにより、スペインGPが転機となったと思うかと質問されると次のように答えた。
「いや、転機はホンダが何か新しいものを持ち込んだときに訪れるんじゃないかな」
■ホンダは自分たちの哲学に正直過ぎた
アロンソはさらにスペインの『ABC』紙に対し、本当は昨年までとは大きくレギュレーションが変わった今季がホンダにとっての転機となるはずだと考えていたことを明かし、次のように付け加えた。
「F1では最高のエンジニアを雇ってほかのチームがやっていることをまねるのが普通のことなんだ。だけど、ホンダは自分たちの哲学に正直であり続けたことで、もっと外部の力が必要だということに気付くまでに時間がかかってしまったんだ。それはあまりにも長過ぎたよ」