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【エアレース特別対談vol.1】GLAYのTERU×室屋義秀「アーティストとアスリートの共通点」とは?

2017年05月09日(火)14:53 pm

日本を代表するロックバンド「GLAY」のボーカリストを務めるTERUと、日本人でただひとりレッドブル・エアレースの現役パイロットとして闘う室屋義秀。アーティストとアスリートと立ち位置こそ違っても、人々を魅了するパフォーマンスを追い求めるという意味では同じ世界にいる。彼らふたりの出会いを導いたというラジオDJにして喋り屋のやまだひさしを交えた3人で、今回、最前線で闘う男達の内面を語り合った。

■アーティストとアスリートのルーティーン

TERU:
僕はやまちゃん(やまだひさし)のおかげでレッドブル・エアレースを知って、実は去年、彼に連れられて幕張に応援に行ってたんです。その時は残念ながら強風で中止になって(土曜日予選)、生で見ることはできなくて。でも、映像なんかを見ると、縦横無尽に飛行機が飛ぶその迫力もさることながら、すごくいいスポーツだなって思うようになりました。アスリートスポーツって若い子しか活躍できないような印象があるけど、レッドブル・エアレースはすごく年齢層が幅広いですね。

室屋:
身体能力だけじゃなくて、パイロットとしての経験が重要なスポーツだからでしょうね。飛行技術に語学に機械工学に――、そういう知識を身に付けるのにけっこう時間がかかる。だから30代くらいで勢いがついてきて、レジェンド級の選手ともなると60代までいるんです。

やまだ:
TERUさんだってGLAYのボーカリストとして今年で23年。これだけの長い間、最前線で歌い続けている。GLAYはもはや、レジェンド級のグループだと思います。アーティストとアスリートって、まったく畑が違うように思えて、常に観客の前で最高のパフォーマンスをするという点では同じ。長年、最前線に居続けるための努力って、実は似通っている部分があったりして……。

室屋:
僕は1年を通して自分なりに定めたルーティーンをするよう心がけています。朝5時くらいに起きて、気を整えて、徐々に身体を動かすようにして、そこから練習に入って。決勝の日も決して変えない。大事な本番だからと下手にプレッシャーを感じてしまうと、逆に思うように飛べない。練習と本番では観客がいるかいないかだけなので、取り組むべき課題は同じだと考えています。

TERU:
僕もそうですね。緊張するとノドに影響しちゃうので、いかにリラックスするかってことを自分に課してます。ライブの日は、朝起きて半身浴して、その日の曲目を何度も聴いて、リハーサルでは本番と同じように声を出してっていう感じで。どのくらい声が出せるかでその日の体調が分かるので、それを踏まえて充分に暖気して、あくまで自然体で本番へと向かいます。

やまだ:
TERUさんは昔っからストイックなアーティストという印象があります。ツアー中はお酒も飲まないし、食事も野菜が中心。なにより毎日規則正しい生活を送っていらっしゃる。

TERU:
日ごろのケアをあまり意識していなかった時代は、本番で声がガラガラになっちゃうことがあって悔しい思いをしました。10年後、20年後もGLAYとして歌いたいって思ったら、そんな生活を改めなきゃダメだなって再確認して。それからはツアー中は禁酒にしたし、夜は野菜鍋の毎日に。それが一番、声の出る身体を作れるんです。

やまだ:
でも、昨日の打ち上げでは(注:対談は4月20日の神戸公演翌日に実施)、少しお酒を飲んでましたね。ツアー中に解禁した珍しい日だったそうで。

TERU:
23年目を迎えて、新しい刺激を求めたくなったというか。体調を整えて声を出すためのルーティーンは必要だけど、そこに適度に刺激を与えることで自分のモチベーションを高めて、よりよい表現ができるのかもしれないと思って。なにより自分自身が楽しまなければ、ファンの皆さんには逆に申し訳ない。だから今回はあえてルーティーンを変えてみたんです。

室屋:
じゃあ、昨晩はTERUさんの貴重な姿を見れたんですね。思えばルーティーンなんて、どこの教科書にも載ってはいなくて、すべて自分で編み出していくもの。僕もどんなルーティーンをするとどうなるとか、“あ、神経が研ぎ澄まされていくな”とか自分で分かりますから。

TERU:
僕たち、自分の身体で人体実験してるようなものですね。

(vol.2へ続く)

●【エアレース特別対談vol.2】GLAYのTERU×室屋義秀「アーティストとアスリートの共通点」・・・『0.1秒の世界』とは?
●【エアレース特別対談vol.3】GLAYのTERU×室屋義秀「アーティストとアスリートの共通点」・・・『聖地、幕張』

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