長年F1最高権威の座にあったバーニー・エクレストンの後任として新たなF1責任者となったチェイス・キャリーが、将来的にアメリカ国内でもうひとつF1グランプリを開催したいとの考えを示した。
■有名都市でのF1開催を目指すキャリー
1959年にセブリングで初開催されたF1アメリカGPは、その後何度かの中断は開催地変更をへて、現在は2012年からテキサス州オースティンにあるサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開催されている。
F1の新オーナーとなったリバティ・メディアからF1運営を任されたキャリーは、今後アメリカ国内でもうひとつF1グランプリを開催したいと次のように語った。
「オースティンのサーキットとは素晴らしい協力関係にある。だが、私が言うところの“人々が目指す街”にもうひとつレースを加えることは可能だと信じている。それはニューヨーク、マイアミ、ロサンゼルス、あるいはラスベガスなどだ」
「これらの都市は、1週間に及ぶイベントを新たにつくり上げて世界中から人々を誘い入れるのにうってつけだ。F1レースがそのイベントの中心であることに変わりはないが、全体的にはF1だけにとどまらない週末にしていきたいんだ」
■ドイツは今後も有望な市場
一方、キャリーはヨーロッパで行われるレースをないがしろにするつもりもないと主張している。そして、その中でも今後力を入れていきたいのがドイツだと『DPA通信』に次のように語った。
「昨年は、ドイツ人ドライバーがドイツのクルマでチャンピオンになった。だから(ドイツは)非常に重要な市場なんだ」
「そのドイツ市場でレースを継続することが我々の目標のひとつにあるのは間違いない。これをうまくやるにはどうすればいいかということについて調査を始めるところだよ」
■ホッケンハイムやニュルブルクリンク以外でのドイツGP継続も?
来季は現在の契約に基づいてホッケンハイムでF1ドイツGPが開催されることになる。だが、キャリーは今後ドイツGPを開催するサーキットが、ホッケンハイムやニュルブルクリンク以外のところになる可能性も示唆している。
「まだ何も答えは出ていないよ。私はすでにドイツの関係者数人と会ったし、当然ながらこれまでドイツGPを開催してきた2つのサーキットとも話をしている」
そう語ったキャリーは、次のように付け加えた。
「だが、我々はほかの選択肢も検討しているところだ。しかしながら、結局のところ、現時点では具体的な声明などを出せる段階ではないがね」