ロバート・クビサが、いつかまたF1マシンに乗る望みを捨てていないことを明らかにした。
クビサは、2006年にBMWザウバーからF1デビューを飾ると2008年の第7戦カナダGPで初優勝を達成。2010年にはルノーに移籍し、近い将来F1チャンピオンになるのも夢ではないと言われていた。
だが、チームがロータス・ルノーと名を変えた2011年のシーズン開幕前に、ラリーレースで大クラッシュを演じ、一時は生命も危ぶまれるほどの大けがを負ってF1から姿を消してしまっていた。
■7年ぶりにフォーミュラカーで走ったクビサ
その後、ラリーレースでモータースポーツの世界に戻っていたクビサは、今年はサーキットに戻り、WEC(世界耐久選手権)に出走することになっていた。残念ながら事情によって今季のWEC参戦は見送ることになったクビサだが、着々とフォーミュラカーレースへの復帰に向けた活動を続けている。
ブラジルの『Globo(グローボ)』が報じたところによれば、クビサは先週イタリアのフランチャコルタ・サーキットでGP3マシンを使って70周のテスト走行を行ったという。クビサがフォーミュラカーのステアリングを握ったのは2010年のF1最終戦アブダビGP以来のことだ。
「結果には満足しているよ。まだ多くのことを改善しなくてはならないけれどね」
そう語ったクビサは次のように付け加えた。
「身体面と準備面の両方について、改善すべきところがかなりある」
■2度目のF1デビューを目指していく
ラリーに復帰したころ、クビサは2011年のクラッシュで負ったけがにより腕や指の動作に制限があり、狭いフォーミュラカーのコックピットで自由にクルマを操ることができるまでには回復しないだろうと語っていたこともある。
だが、クビサは次のように続けた。
「僕はこれまで(F1に)復帰すると言ったことは一度もないし、復帰しないと言ったことも一度もない」
「これからどうなるかなんて分からない。あるとき、僕はテストをするチャンスに恵まれた。だけどそのときはまだ早すぎたんだ。F1カーをドライブできていたらよかっただろうけど、そうしたらどうなっていたかな?」
「みんなは、忍耐は報われると言う。だけどF1には独自の勢いがあるのが現実なんだ。まさに極限のスポーツだよ。そして僕はこれまでの歴史において、例えば15年以内に2度F1デビューをしたドライバーがいたかどうかも知らない」
32歳のクビサはそう語ると、次のように付け加えた。
「何人かはいたよ。(ミハエル)シューマッハみたいに一度引退してまた復帰したドライバーはね。だけど、僕の場合は完全に2度目のデビューだということになると思うよ」