マクラーレン・ホンダのレーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエが、今季のチーム状態はルーキーのストフェル・バンドーンよりも、フェルナンド・アロンソにとって一層好ましくないものだと語った。
■インディ500参戦準備でアメリカに渡ったアロンソ
今年のインディ500(5月28日決勝)に出走することが決まったアロンソは、先週末に今季のインディカー第3戦が開催されたアメリカのアラバマ州に姿を見せていた。インディ500参戦にあたって、アンドレッティ・オートスポーツのメンバーたちと会い、シート合わせを行うためだ。
アロンソ自身は、いつか世界3大レースを制覇するのが夢だと語っているが、そのうちのひとつであるF1モナコGPではすでに優勝を飾っており、残すはインディ500とル・マン24時間レースということになる。
ついに今年そのインディ500に挑戦する機会を得たアロンソだが、もちろん今季F1で優勝争いができている状態であったならばモナコGPを欠場してまでインディ500で戦うという選択肢は考えられなかったはずだ。
どうせ勝てないと分かっているモナコGPに出るよりは、気晴らしもかねてインディ500へ参戦するほうが自身のモチベーション維持にも有益だと考えたであろうことは想像に難くない。
■アロンソへの同情を禁じ得ないエクレストン
だが、今回のアロンソの決断に関しては賛否両論さまざまな意見があるのも事実だ。
F1第3戦が行われたバーレーンに姿を見せていた前F1最高責任者のバーニー・エクレストンは、もし自分が今も最高権威の座にあったとしたらアロンソと話をしてインディ500に出ることを思いとどまるよう説得しただろうと語っていた。
だが、エクレストンも35歳となったアロンソにとって今置かれている状況が耐え難いものであるのは間違いないはずだと『Bild am Sonntag(ビルト・アム・ゾンターク)』に次のように語っている。
「彼のようなドライバーがグリッド後方で走るようなことは絶対にあってはならないことだ」
■アロンソにはもう待つ余裕はない
ブーリエも現在のチーム状態に言及しながら次のように語った。
「フェルナンドのほうが余計に厳しい状況に置かれていると言うべきだろうね。ストフェルはまだ若いし、これから学ぶべきことも多い」
「彼(バンドーン)はマクラーレンと長期契約を結んでいるから、チームによる支援が得られると確信している。実際のところ、彼が少しばかり長く待てるのは、それが理由だよ」