フェルナンド・アロンソ(マクラーレン・ホンダ)が、2018年にはル・マン24時間レースに出走するのではないかとのうわさがささやかれている。
もちろんこのうわさは、アロンソが今年のF1モナコGPを欠場し、アメリカで行われるインディアナポリス500マイルレースに出走することが明らかとなったことを受けてのものだ。
マクラーレン・ホンダのレーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエは、アロンソのインディ500参戦は2018年もアロンソにチーム残留してもらうための計画の一部であることを認め、ドイツの『Der Spiegel(シュピーゲル)』に次のように語った。
「交渉するときには、誰もが奥の手を持っているものだからね」
■勝つ見込みのないモナコよりインディ500挑戦を優先
2015年にフェラーリからマクラーレン・ホンダへと移籍したアロンソだが、今年でその契約が満期を迎えることになっている。2005年と2006年にルノーで2年連続のF1チャンピオンとなったアロンソだが、それ以降すでに10年にわたって無冠の状態が続いている。
本来であれば今年はマクラーレン・ホンダが優勝を狙える位置に復活し、3度目のタイトル獲得に向けて戦えると読んでいたアロンソだが、思惑とは全く逆の展開となり、今年は3レースを終えた時点でいまだにチェッカーフラッグさえ受けることができていない状態だ。
そうしたアロンソにとって、今年は勝てる見込みのないモナコGPへ参戦するより、そのモナコGPやル・マン24時間レースと並んで世界3大レースのひとつに数えられるインディ500へ参戦することのほうが自身のレースへのモチベーションを保つ上では意味のあることだと判断したようだ。
そしてマクラーレンとしても、2018年以降もアロンソをチームにとどめておくためには、ゆくゆくは世界3大レースすべてを制覇したいという野心を抱いているアロンソに今年インディ500へ挑戦するチャンスを与えるという懐柔策に出たわけだ。
■インディ500参戦はいいリフレッシュになるとアロンソ
アロンソは、先週末に行われた今季のF1第3戦バーレーンGP決勝を終えた後、母国スペインの『Marca(マルカ)』に次のように語った。
「これから少しばかりインディ500のことを考えることにしよう」
「それによって僕も頭を少しばかりリフレッシュすることができるだろうからね」
今季に向け、昨年までのものとは全く異なる設計コンセプトによって準備されたホンダパワーユニットだが、結果としてそれは大失敗に終わってしまっている。ホンダでは現在改良版ユニットの製造を急ピッチで進めていると伝えられているものの、マクラーレン・ホンダが十分に戦えるだけの信頼性とパフォーマンスを発揮できるまでにはまだ時間がかかるのは間違いない。
■早急な対策をマクラーレンに望むアロンソ
「もう少し辛抱するしかないね」と語ったアロンソは、次のように続けた。
「来月、あるいは次の3、4レースは困難なものになるだろう」
「ひどく驚かされたのは、もう1台はレースすることさえできなかったということだ。それがストフェル(バンドーン/チームメート)にとって運が悪かったのか、あるいは幸運だったのかは分からないけれどね。だから何とかしなくてはならないんだけど、チームに何か考えがあるのかどうか僕には分からない」
「できる限り早く解決策を見つけないとならない」
こうしたコメントからすれば、アロンソとしてはちまたでうわさされているように今季途中からでもホンダを見限り、メルセデスからパワーユニット供給を受ける方向での調整を望んでいるように思われる。
■2018年のル・マン24時間出走のうわさは「でっち上げ」
そんな中、アロンソはすでにポルシェとの間で来年のル・マン24時間レースに出走することで合意したようだとのうわさが最近報じられた。
だが、スペインの『El Mundo Deportivo(ムンド・デポルティーボ)』は、アロンソをよく知るマクラーレン関係者は「そのような計画はない」と否定し、次のように付け加えたと報じている。
「それは事実ではないよ。でっち上げだ」