先週末に行われた今季のF1第2戦中国GPでは、圧倒的な不利が予想されていたもののマクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソが予選で13番グリッドを確保すると、決勝でもポイント圏内を快走するパフォーマンスを見せた。
惜しくもメカニカルトラブルによるリタイアでレースを終えたアロンソだが、レース後には非常に戦闘力に劣るホンダパワーユニットを搭載しながらもそういう走りをすることができたのは「神による助け」があったに違いないとの冗談を語っていたほどだ。
■今のクルマでは追い抜きは不可能
昨年限りでF1を引退したジェンソン・バトンに変わって今季そのアロンソのチームメートに昇格したストフェル・バンドーンも母国ベルギーの『Het Laatste Nieuws(ヘト・ラーツテ・ニュース)』に「クルマの感触はかなりいいんだ」と語り、次のように続けた。
「マッサが乗るウィリアムズの後ろにいたときには、すべてのコーナーで僕のほうが速かったとさえ言えるよ」
だが、バンドーンはウィリアムズのマシンを追い抜けるとは考えられなかったと次のように続けた。
「攻撃したかって? 僕たちのストレートでの最高速は戦うにはあまりにも低すぎるんだ。僕たちには(追い抜きは)不可能だね」
「ストレートに入ったときにはミラーに入っているんだけど、(ストレートの)最後のところでは(ライバルの)クルマがとなりにいるんだ。すぐにもっとパワーが必要だよ」
「たとえDRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)を開けたところで、僕たちは誰も追い抜くことなどできないよ」
■マクラーレン復活のカギはホンダパワーユニットの改善
マクラーレン・ホンダにとって唯一の光明は、忍耐の限界を超えたアロンソが2018年にはほかのチームへの移籍を考えているのではないかとうわさされている中で、そのマクラーレン・ホンダMCL32が開幕戦オーストラリアGPと第2戦中国GPで“意外な”パフォーマンスを演じて見せたことかもしれない。
だが、上海でのレースを終えたバンドーンは、マクラーレンはホンダのパワーユニットさえよければトップ争いすら可能なはずだと次のように語っている。
「エンジニアが言うには、僕たちにも(トップと)同等のラップタイムで走れる潜在能力があるらしい。だけど違いは僕たちが位置していたグループだった。上位勢のペースはもっと速い。だけどもっと後ろの僕たちがいた場所ではタイムを失うだけなんだ。ほかにも遅いクルマがたくさんいるからね」
「クルマの感触はかなりいいよ。改良パーツもうまく機能しているみたいだ。シャシーは正しい方向へと向かっているよ。僕たちに足りないのはストレートでのスピードだけさ」
「まだ今年の2レース目に過ぎないし、今のクルマでは簡単ではないことは分かっている。だけど最善を尽くしているし、すぐに改善されていくと思うよ」
■バーレーンも苦しいレースに
そう語ったバンドーンだが、今週末のバーレーンGP(16日決勝)にそれを期待するのは難しいだろうと次のように付け加えた。
「だけど、バーレーンでは多分無理だろうね。僕たちにとってはまた少しばかり困難な週末になるだろうと思っているよ」