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【決勝スピード計測】実質最下位だったマクラーレン・ホンダ・・・15km/h以上のパワーアップを/F1中国GP

2017年04月10日(月)7:29 am

FIA(国際自動車連盟)が、F1中国GP決勝レースでのスピードトラップ(計測)のデータを発表した。

トップスピードはフェリペ・マッサ(ウィリアムズ)で、2番手は元チームメートのバルテリ・ボッタス(メルセデス)。フェラーリは3番手にセバスチャン・ベッテル、5番手にキミ・ライコネンが入った。

■予想通りスピードでは厳しい戦いだったマクラーレン・ホンダ

事前の予想通り、マクラーレン・ホンダはスピード争いでは厳しい戦いとなった。直線が長いF1中国GPではパワー差が大きく、ドライバーやマクラーレンだけではなく、ホンダも厳しい戦いを予想していた。

実際、レースでのスピードトラップを見てみると、ストフェル・バンドーンが16番目でトップのマッサから18.9km/h遅く、フェルナンド・アロンソが18番目でトップから27.4km/h遅かった。

17番目にはルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)がいるが、これはトップを独走していたため、DRSを使用していないことが理由だ。

19番目で最下位のアントニオ・ジョビナッツィ(ザウバー)は、まだ路面が濡れている3周目でリタイアしており、濡れた路面状態で最終コーナーから十分に加速できていない中での記録だ。

バンドーンの1つ上にいる15番目のマーカス・エリクソン(ザウバー)だが、ザウバーのパワーユニットは昨年モデルのフェラーリを使用している。

■セッティングの差は?

直線のスピードトラップで速ければ、1周のタイムも速いかというと、必ずしもそうではない。しかし、レーシングカーの理想としては、パワフルなエンジンがあれば、ダウンフォースを他チームより増やして直線スピードは多少犠牲にしてもコーナーでタイムを稼いで、1周のタイムを上げていくという状態が理想だ。

エンジンパワーがあれば、セッティングの幅が拡がり、戦略が立てやすくなる、ということになる。パワーは十分ある方が良い。

■開幕戦でのスピード差は?

開幕戦では、バンドーンとアロンソにスピード差があったが、これは後方からの追い上げが決まっていたバンドーンは、ダウンフォースを減らして直線でのオーバーテイクを狙ったものだといえる。

逆にコーナーリングでは「誰にも負けない」という腕に自信があるアロンソは、開幕戦で混戦の中団グループ争いが分かっていたため、ダウンフォースを多めにしてコーナーを速く駆け抜け、他車がストレートエンドで追いつく頃には多めのダウンフォースを生かして巧みなブレーキングでブロックし、また次のコーナーへ入って逃げる、という戦略を選択していたのがわかる。

そのため、直線重視のセッティングをしていたバンドーンより、アロンソは直線スピードがかなり遅くなっていたのだろう。

また、十分に戦えないことがわかっていたチーム側としては、ドライバーごとにセッティングを変えることで、より多くのデータを収集したいという目的もあるだろう。

■あと15km/hのパワーアップを

気になるのは、アロンソが出した309.0km/hやバンドーンの317.5km/hはDRSを使用しているのに対して、トップを独走していたハミルトンの315km/hはDRSを使用していないということだ。やはりあと15〜20km/hのパワーアップが必要だ。

これがマクラーレンやドライバーたちがホンダに厳しく当たる理由だ。とにかく、F1ではパワフルなエンジンは絶対に必要だ。

十分なパワーがあれば、アロンソのダウンフォースレベルを維持したままトップ10争いも容易にできるだろう。

ホンダが開発中の次期バージョンにより、このスピードトラップでも中団グループ以上を争えることを願いたい。

■【決勝スピード計測】F1中国GP

ドライバー/チーム KPH/差
1 19F.マッサ
ウィリアムズ/メルセデスブラジル
336.4-
2 77V.ボッタス
メルセデスフィンランド
336.0-0.4
3 5S.ベッテル
フェラーリドイツ
335.1-1.3
4 31E.オコン
フォース・インディア/メルセデスフランス
332.7-3.7
5 7K.ライコネン
フェラーリフィンランド
332.7-3.7
6 8R.グロージャン
ハース/フェラーリフランス
332.5-3.9
7 20K.マグヌッセン
ハースデンマーク
331.6-4.8
8 33M.フェルスタッペン
レッドブル/タグホイヤーオランダ
330.3-6.1
9 3D.リカルド
レッドブル/タグホイヤーオーストラリア
329.6-6.8
10 30J.パーマー
ルノーイギリス
328.0-8.4
11 11S.ペレス
フォース・インディア/メルセデスメキシコ
327.6-8.8
12 27N.ヒュルケンベルグ
ルノードイツ
327.6-8.8
13 55C.サインツ
トロロッソ/ルノースペイン
325.3-11.1
14 26D.クビアト
トロロッソ/ルノーロシア
324.3-12.1
15 9M.エリクソン
ザウバー/フェラーリ(2016)スウェーデン
319.9 -16.5
16 2S.バンドーン
マクラーレン・ホンダベルギー
317.5 -18.9
17 44L.ハミルトン
メルセデスイギリス
315.5 -20.9
18 14F.アロンソ
マクラーレン・ホンダスペイン
309.0 -27.4
19 36A.ジョビナッツィ
ザウバー/フェラーリ(2016)イタリア
301.9 -34.5
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