フォース・インディアのセルジオ・ペレスが、2017年型車のVJM10は現時点ではスピードが全然足りない状態だと認めた。
小規模予算しかないことで知られるプライベートチームのフォース・インディアだが、昨年はコンストラクターズランキングで過去最高の4位となる活躍を見せた。
■新スポンサー獲得で膨らむ期待
今季はBWT社を新たなスポンサーに迎えたことで車体をピンク色に染めてシーズンを戦うことになったフォース・インディアだが、今回の契約によって2千万ドル(約22億円)とも言われる資金を手にすることなると言われている。
開発にこれまで以上に資金を投入できることにより、フェラーリ、メルセデスAMG、レッドブルといったトップ3チームに割り込むことは難しいとしても、現在のポジションをキープすることで継続的に高額のF1収益分配金を手にするという好循環を期待することもできそうだ。
■現時点での実力は下位レベル
だがペレスは、現時点でのクルマはあまりよい状態ではなく、実力的には全10チームのうちでも下の方だと次のように語った。
「僕たちは1周においてもレースペースにおいてもスピードが足りないんだ」
「僕たちは、現時点では全体で7番目か8番目の速さしかないよ」
■車両重量オーバーが現在のネック
今季のF1カーはレギュレーションが変わったことにより昨年よりも大きなダウンフォースとグリップが得られるものとなっている。このためコーナリングスピードが向上し、その結果としてドライバーへの身体的負担も増大すると言われている。
このため、各ドライバーはシーズンオフの間に筋力アップのためのトレーニングに努めてきていた。
だが、フォース・インディアのF1マシンはルールが定めた最低重量近くにまで車重を減らすことに失敗したことが明らかとなっており、このために2人のドライバーにはシーズン開幕に向けて減量するように指示が出されていた。
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によれば、フォース・インディアもこうした問題を解決するためにサイドポッドをもっと小型にするといった大幅な改良に着手しているという。だが、その新型パッケージがお目見えするのは早くても第7戦カナダGP(6月11日決勝)になるようだ。
■チャンスを逃さないことが重要
ペレスは、それまでは何とかチャンスを生かしながら耐え忍ぶしかないと次のように続けた。
「どんなチャンスもものにしていかないとならないよ。オーストラリアのときのようにね」
オーストラリアGP決勝を11番グリッドからスタートしたペレスと、14番グリッドからスタートしたチームメートのエステバン・オコンは、全20台中7台がリタイアとなったサバイバルレースでうまく順位を上げ、ペレスが7位、オコンが10位でダブル入賞を果たしていた。
ペレスはそのオーストラリアGPについて次のように付け加えた。
「予想もしていなかった結果が得られたし、僕たちにとっては素晴らしい週末だったよ」