F1のパワーユニットに関して今後の方向性を話し合う会議が開催され、パワフルかつシンプルなものにすることで合意した。
現在、F1のパワーユニットは、1.6リッターV6ターボエンジンとハイブリッドの技術を組み合わせることで、燃料の消費を従来より30%抑えながら900~1000馬力のパワーを発生するまでに進化している。
その一方で、複雑すぎることやコストの高騰といった問題点が指摘され、過去のエンジンサウンドを懐かしむ声も上がっている。
今回の会議は、F1を統括するFIA(国際自動車連盟)の主催で、3月31日にパリで行われ、2021年に予定されている新たなエンジン規定の導入に向けて、今後の方向性が話し合われた。
会議には、F1の新オーナーとなったリバティ・メディアや、ホンダをはじめとするF1参戦中のメーカーだけでなく、将来F1に参戦する可能性のある自動車メーカーや独立系サプライヤーも出席した。
■2021年に向けた合意内容
FIAは声明を出し、将来のパワーユニットに関して次のように「大筋で合意」したと伝えている。
●モータースポーツ技術の頂点としての地位と、ロードカーと関連性のある技術を開発する実験室としての役割をF1が維持すること。
●将来のパワーユニットをパワフルかつよりシンプルで開発・製造コストの低いものにするよう努めること。
●パワーユニットのサウンドを改善すること。
●よりハードなドライビングをドライバーが常時できるようにすること。
■詳細をつめる作業はこれから
FIA会長のジャン・トッドは、声明の中で次のように述べている。
「こうした手順を踏んで、これほど多くの異なる関係者が、FIAフォーミュラワン世界選手権の方向性を決める重要な技術分野に関して合意できたことを大変うれしく思う」
「もちろん、これから2021年のパワーユニットについて詳細をつめる作業に腰を据えて取りかからなければならない。しかし、幸先の良いスタートを切ることができた」
また、声明では、現行のパワーユニットを2020年まで維持することがあらためて明言されている。