レッドブルのマックス・フェルスタッペンが、今後フェラーリやメルセデスAMGに追いつくためには、もうしばらく辛抱して待つしかないと語った。
●【マクラーレン・ホンダ】アロンソ「“神の奇跡”を」・・・年内にザウバー・ホンダ?メルセデス「ノーコメント」の意味とは?
■レギュレーション変更を生かせなかったレッドブル
今年はレギュレーションが大きく変わり、昨年に比べると空力によるダウンフォースやメカニカルグリップの重要度が増してきている。これは、空力に優れたシャシー製造に定評のあるレッドブルに有利に働くと考えられていた。
だが、バルセロナで2回に分けて行われたシーズン前テストでは、レッドブルはフェラーリやメルセデスAMGほどのパフォーマンスを示すことができずに終わっていた。だが、中にはレッドブルがわざと手の内を見せていないのではないかと疑いの目を向ける者もおり、メルボルンで行われる開幕戦オーストラリアGPでその本当の力が明らかになるだろうと思われていた。
だが、バルセロナの結果が示した通り、レッドブルはメルボルンでもフェラーリやメルセデスAMGの域には到達することができず、フェルスタッペンが予選、決勝ともに5位で終えている。
■改良版ルノーPU登場はモナコまでおあずけ?
しかも、オーストラリア出身のチームメート、ダニエル・リカルドは予選Q3でクラッシュし、ギアボックス交換で5グリッド降格。さらにフォーメーションラップ中にクルマがストップしてしまうというトラブルも発生。2周遅れでレースをスタートはしたものの、結局またトラブルに見舞われリタイアに終わるという厳しい結果に終わってしまった。
レッドブルは、現時点ではシャシーとルノーから供給を受けているパワーユニットの両方に問題を抱えていることを認めており、次戦中国GP(4月9日決勝)や第3戦バーレーンGP(4月16日決勝)で投入すべく、シャシーの改良を急いでいるとしている。だが、ルノーのパワーユニットに関しては、改良版の登場は早くても第6戦モナコGP(5月28日決勝)あたりまで待つしかないだろうと考えられている。
■自分ではどうしようもないことだとフェルスタッペン
それほど長く待たなくてはならないことに不満を感じているかと母国オランダの『De Telegraaf(テレグラーフ)』から質問されたフェルスタッペンは、「仕方ないよ。僕には何も変えることはできないからね」と答え、次のように付け加えた。
「差は大きいから、僕たちは懸命に取り組むしかないよ」
■今年のF1はエキサイティングではない
一方、フェルスタッペンは、大きくレギュレーションが変更された2017年のF1カーは運転するのがこれまでのものよりも楽しいと認めたものの、やはり懸念されているようにオーバーテイク(追い抜き)が難しくなるのは間違いないと感じているようだ。
実際のところ、2016年のオーストラリアGP決勝では合計24回のオーバーテイクが記録されていたものの、今年はわずか5回に減ってしまったというデータが示されている。
「クルマは、運転するにはこれまでよりも楽しいものになったよ。だけど(オーストラリアGPは)あまりエキサイティングなものとはならなかったね。僕は自分の順位を危険にさらすことなく、あと2回余計にピットストップすることもできていたはずさ」
■苦戦することはすでに分かっていた
フェルスタッペンはさらに、オランダのテレビ局『Ziggo Sport Totaal(ジッホ・スポルト・トタール)』に次のように語った。
「僕はあまりいら立ったりはしていないんだ。すでに冬のテストにおいてこのクルマが完ぺきではないことに気付いていたからね」
「先週末で一番よかったことは何かって? 天気だね」