フェルナンド・アロンソは、ホンダがバルセロナテストからメルボルンまでの間ですでに「多くの変更」を加えていることを認めたが、オーストラリアGPのフリー走行1回目でコースサイドに集まった観客たちが聴いたのは、ホンダエンジンの奇妙な“爆発”音だった。シフト時やアクセルをオフしている際にも異音は聞こえており、燃焼や構造に問題がある可能性もある。少なくとも他のエンジンよりも聞いていて気持ちの良い音ではないようだ。
■ホンダ、エンジンの問題だけではない
厳しい立場のホンダだが、チームの状況に対してすべての責任を負うつもりはないという。
長谷川裕介ホンダF1総責任者は「F1開幕前テスト2回目の最後の2日間に起こったトラブルはクルマの振動によって引き起こされたもので、エンジンの問題だけではなかった」と語っている。
ギアボックスやシャシー、足回りなどにも問題があるとも言われており、状況は複雑のようだ。
■昨年よりパワーは出ているがドラッグも増えた
また長谷川ホンダF1総責任者は、アロンソの「新F1カーがはるかにハイスピードになった一方で、マクラーレン・ホンダのパワーがないためにフルスロットルでほぼすべてのコーナーを走ることができる」という主張にはこう返した。
「昨年のアブダビGP時よりパワーは強いと思いますが、ドラッグも増えています。タイヤがワイドになったことでドライバーはスピードが落ちたと感じることもあるでしょう」。
昨年よりパワーは増えたものの、同時に新しい空力とタイヤになったことでドラッグ(抵抗)も増えてしまった結果、パワーが足りないと感じさせてしまっているようだ。
いずれにしてもライバル勢とのパワー差はまだ大きく、ホンダ・サウンドはかつてのように観客を感動させるレベルには達していないようだ。