メルセデスAMGを率いるトト・ヴォルフ(エグゼクティブディレクター)が、ルイス・ハミルトンとの関係は以前よりもさらに強いものになっていると語った。
■2016年のF1最終戦で起きたハミルトンの指示無視問題
昨年のF1最終戦アブダビGPでは、レース終盤に先頭を走っていたハミルトンがわざとペースを下げ、2番手を走行中だったチームメートのニコ・ロズベルグにライバルチームのドライバーたちが接近するように仕向けていた。
それは、ハミルトンが2016年のF1チャンピオンになるためには自分がそのまま先頭でチェッカーを受けるとともに、ロズベルグが4位以下に順位を落とす必要があったためだ。
だが、ヴォルフはそのときハミルトンに対してもっとペースを上げるよう無線を通じて指示を出していた。ところが、その指示をハミルトンが完全に無視したことから、レース後にメルセデスAMGがハミルトンに対し解雇も含む大きな処罰を下すのではないかとさえ言われていた。当然ながら、ヴォルフとハミルトンの関係もかなりこじれてしまっていた。
■今は集中できているとハミルトン
「ああ、あのときはすごくつらかったよ」
当時のことについてドイツのテレビ局『RTL』にそう語ったハミルトンは、次のように付け加えた。
「でも、今ではうまくやれているよ。これまでで一番ハードに取り組んできたし、ものすごく集中している」
■もう過去のことだとヴォルフ
ヴォルフも、当時のことはもうすでに過去のことだと主張している。
「アブダビの後、彼が厳しい時期を迎えていたのは確かだ。だが、ほかの多くのトップアスリートたちと同じように、彼もいろんなことを消化し、新たなシーズンに向けて備えることができていた」
そう語ったヴォルフは、次のように付け加えた。
「我々の関係もそうしたことを通じてさらに強いものとなったよ」