昨年までフェラーリのチーフ・レースエンジニアを務めていたトニ・クケレラが、今季のフェラーリはかなりの活躍を見せるだろうと語った。
すでにフェラーリを離れ、今年はスペインのテレビ局でF1解説者を務めることになっているクケレラは、バルセロナで8日間にわたって行われたシーズン前テストを見た限りにおいてはフェラーリが今年最強チームのメルセデスAMGを上回る活躍を見せるのは間違いないと考えている。
■昨年の今ごろとは格段の差
「明らかなことは、彼ら(フェラーリ)が品質面で大きな進歩を果たしたということだ」
スペインの『El Pais(パイス)』にそう語ったクケレラは、次のように付け加えた。
「それが、メルセデスAMGと戦い、彼らを打ち負かすに十分なほどかどうかはまだ分からない。だが、昨年のこの時期と比べれば(フェラーリは)格段に違うよ」
■フェラーリが行った開発投資は数百億円規模
かつてHRTのテクニカルディレクターを務めていたことでも知られるクケレラは、今季フェラーリが大きく進歩を果たしたのは「開発のために多額の投資を行ったことによるものだ」と語り、次のように続けた。
「クルマのほとんどのパーツをテストすることが可能なツールに数億ユーロ(数百億円)をつぎ込んだんだ。フェラーリはこの部分がメルセデスAMGに対して劣っているところだと理解したのさ」
「(バルセロナで行われた)冬のテストの結果を見れば、彼らはうまくやれるだけの強さがあったと私は思っている。その改善で具体的にどういう結果になるかということまでは言えないがね。彼らはコンマ4秒劣っているかもしれないし、コンマ2秒速いかもしれない」
そう述べたクケレラは、次のように結んでいる。
「だが、少なくとも、今のフェラーリは本気だよ」