今季ルノーに移籍したニコ・ヒュルケンベルグが、2、3年後にはこのチームでF1タイトルを狙えるようになるだろうと語った。
■ランキング4位チームから9位チームへ移籍したヒュルケンベルグ
これまでにF1で通算117戦にエントリーを果たしているヒュルケンベルグだが、仮に今年の第13戦イタリアGP(9月3日決勝)までに3位以内でフィニッシュすることができなければ、現在エイドリアン・スーティルが有している一度も表彰台経験のないドライバーとしての最多出走記録という不名誉な記録を更新することになってしまう。
2016年から再びフルワークス体制でのF1参戦を開始したルノーだが、昨年はランキング9位に沈んでおり、今年のシーズン前テストの結果を見ても、今年一気に表彰台を狙える位置にまで競争力を高めて行けるとは思えず、ヒュルケンベルグが不名誉な記録を更新してしまう可能性はかなり高いと考えられている。
一方、小規模プライベートチームながら、昨年まで所属していたフォース・インディアは2016年にコンストラクターズランキング4位に輝くとともに、チームメートのセルジオ・ペレスは2度の3位表彰台を獲得していた。世界的自動車メーカーのワークスチームであるルノーF1は規模的には大きいものの、フォース・インディアのシートを捨ててまで移籍したことが正解だったのかどうかいぶかしがる者たちがいるのも事実だ。
■2、3年中にはルノーでF1タイトルを狙えるはず
だが、ヒュルケンベルグ本人は今季ルノーへ移籍したことに満足していると母国ドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』に次のように語った。
「ルノーは過去に彼らの実力のほどを証明して見せている。彼らは何度かF1チャンピオンになっている。だからこのプロジェクトへ加入するチャンスが与えられたときには迷うことなくそれをつかんだよ」
「僕にできることは、このプロジェクトをサクセスストーリーに導くことさ」
「今年は、僕たちは奇跡を期待することなどできない。そんなことを期待するというのはこのスポーツが理解できていないということだ。だけど、僕は今年には中団グループの上位にはなれると思っているし、2、3年後には、2019年からはタイトルを狙える位置にいたいと思っているよ」
■後悔はない。ルノーを再び成功に導きたい
一方、F1関係者の中にはヒュルケンベルグがルノー移籍を決めたタイミングが「早すぎた」と考えている者もいる。その理由は、もしヒュルケンベルグがまだルノー行きを決めていなければ、2016年のシーズン終了直後にF1引退を表明したニコ・ロズベルグの後任候補筆頭にヒュルケンベルグの名前が挙げられていたはずだというわけだ。
だが、この件について質問されたヒュルケンベルグは次のように答えた。
「早すぎたって? その間3か月もあったんだよ!」
「もしメルセデスAMGに興味がないと言えばうそになるだろうね。だけど、今回のタイミングは現実的に無理だったんだ。僕はすでにルノーと長期契約を結んでいたんだからね」
「それに、僕はここで何かをやり遂げたいと思っている。これは僕にとっては大きな挑戦さ。僕はメルセデスAMGのようなすでに定評を得たチームよりも、ここで戦って、チームを強くしたいと思っているんだ」
そう語ったヒュルケンベルグは、次のように締めくくった。
「僕は何も後悔していないよ」