セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)のかつてのボスであるヘルムート・マルコ(レッドブル/ドライバー育成責任者)が、今年のフェラーリは間違いなく強いだろうと考えている。
レッドブルの育成ドライバーであったベッテルがF1キャリアをスタートする前からよく知っているマルコは、2015年にフェラーリに移籍し、いまや29歳となったベッテルが今季のフェラーリF1カーを得て非常に強気になっていることが分かると『Servus TV(セアヴスTV)』に語り、次のように続けた。
■ベッテルは今季のクルマに自信
「フェラーリはすごく強いよ」
「私はセバスチャンのことを非常によく知っているから分かるんだが、彼は(バルセロナテストで)ベストタイムを刻むペースで走りながら、最後のストレートで何度もタイム計測を中断するという挑発的な態度を見せていた。誰もがそれに気が付いていたよ」
「誰かがこうしたことを行うときは自分にすごく自信があるときだし、自分のクルマの実力が分かっているときだ」
マルコの見方が正しければ、2010年から2013年までレッドブルで4年連続F1チャンピオンに輝いたベッテルが、今年は5度目のタイトル獲得に挑戦できる可能性もありそうだ。
実際のところ、バルセロナで行われたシーズン前テストの結果を見れば、いよいよ来週末にメルボルンで行われる今季のF1開幕戦オーストラリアGP(26日決勝)ではフェラーリとメルセデスAMGが激しいつばぜりあいを演じるだろうと考えている者が多い。
■メルセデスAMGの1-2フィニッシュは減る?
マルコは、2017年シーズンの展開を次のように予想している。
「テストではバルテリ・ボッタス(メルセデスAMG)はルイス・ハミルトンのレベルには達することができないことが示された。メルセデスAMGがまだ有利なのは確かだが、彼らが常に1位と2位を独占するわけにはいかないだろう。彼らの間にほかのドライバーたちが割り込むことになるだろうね」
■レッドブルは攻めてくるのか?
だが、現時点において一番大きな疑問符が付けられるのが、レッドブルがどういう走りを見せるのかということだろう。F1関係者の中には天才F1カーデザイナーとの評価も高いエイドリアン・ニューイ(レッドブル最高技術責任者)がオーストラリアに驚くようなクルマを持ち込むのではないかと考えている者も少なくない。
そのことについて質問されたマルコは次のように答えている。
「普通、どのチームもオーストラリアには新しいパーツを持ち込むものだ。我々がどうなのかということについては、こう言えるだけだよ。我々の(F1カーの)カラーリングはまったく変わらないとね」
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