1997年のF1チャンピオンであるジャック・ビルヌーブが、今年は本来のF1が戻ってきたと語った。
■近年のF1に批判的だったビルヌーブ
1995年にCARTチャンピオンとなったビルヌーブは翌1996年にウィリアムズからF1デビューを飾り、その翌年には見事F1タイトルを獲得。その後ホンダエンジンを搭載するBARで走っていたこともあり、日本での人気も高かった。
そのビルヌーブは、燃料をセーブしつつ、急激に性能低下が発生するタイヤをいたわりながら戦わなくてはならない近年のF1に対しては批判的な立場をとっていたことでも知られている。
■クルマもタイヤも改善された
だが、バルセロナで行われた2017年のF1シーズン前テストの様子を見たビルヌーブはイタリアのテレビ局『Sky(スカイ)』に次のように語った。
「ここまでに目にしたものは、単純に素晴らしいよ」
「まず、クルマの外観はすごくいいね。これまでよりも大きくなって、これこそ本来のF1カーだって感じだ」
「だけど同時に、タイヤもすごくうまく機能している。以前は、ドライバーたちは攻め続けることはできなかった。だけどついに彼らがラバーのことをあまり気にすることなく攻撃的な走りをすることができるようになったということが分かる」
■ドライバーの腕による差が大きくなるはず
そう述べた45歳のビルヌーブは、タイヤが改善されたことによりレースもこれまで以上に楽しめるものになるはずだと次のように続けた。
「つまり、これによってピットストップが少なくなるということだ。誰しもピットストップが多いのは好まないし、一般的に言ってストップが少ないほうがこのスポーツを理解しやすくなると思うよ」
「そして、ドライバーたちはタイヤを破壊することなくコーナーでもっと攻めることができる。それによってトップレベルのドライバーたちが有利になるはずだ」
現在はテレビのF1解説者を務めるビルヌーブはそう語ると、次のように付け加えた。
「すでに新人ドライバーたちが問題を抱えていることが見てとれるよ」